韓国や日本のメーカーが製造業分野の輸出を牽引

(エジプト、韓国、日本)

カイロ発

2023年03月01日

エジプト・エンジニアリング輸出協議会(Engineering Export Council of Egypt:EEC)は2月18日、2022年の輸出額が大きかったメーカー(製造業)を表彰した。

外資系企業の1位は、テレビや携帯を製造するサムスン電子エジプト(2022年11月4日記事参照)、2位は住友電装の子会社で、自動車用部品を製造するSEワイヤリングシステムエジプト、3位はLG電子エジプト、4位はレオニワイヤリングシステムエジプトだった。また、エジプト国内企業では、1位にユナイテッド・メタルズ・カンパニー(エルスウェディグループ)、2位と3位は、フレッシュ、エルアラビーグループで家電製造大手2社がランクインした。コロナ禍でも、自動車部品と家電のメーカーでは輸出が好調だったことを示した。

EECのシャリフ・サイード会長によると、表彰された外資系企業は、輸出を前提とした経営を行っていることが共通の特徴で、これが輸出を拡大することができた理由の1つだと述べた。「これらの企業は組織をあげて海外市場で競争力を有する製品の生産・開発に取り組んでおり、海外規格への適合、輸出先における競合メーカーとの価格優位性を意識している」という。

なお、2022年にエジプト・ポンドは主要通貨に対して減価し、米ドルに対する価値が1年で約半分となった(2023年1月12日記事参照)。エジプトのフリーゾーンなどで製造、輸出する企業にとっては、輸出を増加させる追い風となった。

エジプト政府は、外貨獲得や雇用創出が期待できる産業として、電子機器や自動車部品など製造業の投資誘致に力を入れている。中央動員統計局(CAPMAS)によると、エジプトは電気機器の輸入も多いが、外資系の製造業の投資もあり、輸出も増えている。2021年には、携帯電話などを含む電気機器は、鉱物性燃料、プラスチックに次ぐ輸出産業となっており、その輸出額は24億ドルになった。政府は輸出企業の育成・企業誘致のため、輸出企業向け補助金を用意するほか、政府の一括支援を受けることができる「ゴールデンライセンス」(2022年11月4日記事参照)の発行を継続している。SEワイヤリングシステムは、ライセンスが最初に付与された8社のうちの1社だ。

(福山豊和)

(エジプト、韓国、日本)

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