BMW、バレオとの自動駐車技術の共同開発を発表

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年03月07日

ドイツ自動車大手のBMWグループは2月14日、フランスの自動車部品メーカーのバレオ(Valeo)と戦略的提携を結んだことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。自動運転レベル4(注1)に相当する無人かつ自動で駐車できる自動バレーパーキング(AVP、注2)を共同開発する。また、公共駐車場などで、AVPサービスと電気自動車(EV)向け完全自動充電サービスの提供を可能にするためのインフラも、共同開発する。

バレオによると、今回の共同開発には両社から100人以上の研究開発専門家が参画する。ソフトウエア機能は、2021年発売モデルのEV「BMW iX」に初投入された自動駐車ソフトウエアスタックが基盤になる。他の自動車メーカーも、今回のソフトウエアプラットフォームに参加できる。

現在、AVPシステムの国際標準化が進められており、ISO世界標準の国際規格案によると、同システムは、(1)センサー、アルゴリズムなど必要な機能が車両に搭載される方式、(2)必要な技術が駐車場などインフラ側に整備される方式、の2つに分かれる予定。BMWとバレオは両方の方式を支持し、市場と顧客のニーズに応じて開発を進める予定。

なお、両社は既に2022年6月、先進運転支援システム(ADAS)ドメインコントローラー、センサーおよびソフトウエアの提供に関する契約を締結している。具体的には、BMWの次世代EVモデル「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」の駐車と操縦に必要な技術の共同開発を行う。BMWは2025年に「ノイエ・クラッセ」モデルを販売する予定。

他の自動車メーカーなどもAVPの開発を進める。たとえば、ドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツグループ、自動車部品ボッシュと駐車場運営APCOAは2020年からAVPの実験を行ってきた(2020年10月29日記事参照)。2022年2月には、ボッシュがAPCOAと協力し、AVP技術をドイツ国内15カ所のAPCOAパーキングビルに導入すると発表している(2023年2月7日記事参照)。また、メルセデス・ベンツは2022年11月、自動運転レベル4に相当する商用AVPサービスを提供するための承認を、ドイツ連邦自動車局(KBA)から受けた(2022年12月9日記事参照)。

(注1)高度運転自動化。限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態での走行が可能。

(注2)バレーパーキングとは、運転手に代わり係員が車を駐車するサービス。AVPでは自動運転技術を活用し、無人かつ自動で車を駐車させる。

(クラウディア・フェンデル)

(ドイツ)

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