メルセデス、商用自動バレーパーキング承認を世界で初めて取得

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年12月09日

ドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツグループは11月30日、ドイツ自動車部品大手ボッシュと共同開発した無人かつ自動で駐車できる自動バレーパーキング(AVP、注1)がドイツ連邦自動車局(KBA)に承認されたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。KBAの承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、メルセデス・ベンツは世界で初めて、自動運転のレベル4(注2)に相当する商用AVPサービス提供が可能になった。

メルセデス・ベンツとボッシュは2019年、バーデン・ビュルテンベルク州シュツットガルト市のメルセデス・ベンツ博物館でのAVP実験の特別許可を世界で初めて取得した。また、両社は2020年から駐車場運営のAPCOAと連携し、シュツットガルト空港パーキングビル「P6」でAVP実験を行っていた(2020年10月29日記事参照)。今回の承認を受けて、個人所有の車両を対象とした商用AVPサービスが世界で初めて始まる。AVPサービスは、公道でのレベル4の自動運転を可能にする「自動運転車両の認可および走行に関する政令」(2022年7月施行)に基づく(2022年6月3日記事参照)。

メルセデス・ベンツによると、今回の商用AVPサービスを利用できるのは当面、2022年7月以降に生産され、「インテリジェント・パーク・パイロット(INTELLIGENT PARK PILOT)」機能を搭載した「Sクラスリムジン」「リムジンロング」「EQS」モデル(メルセデス・マイバッハとAMGを除く)。APCOAの「APCOA FLOW」のスマートフォンアプリも必要となる。利用者はアプリで駐車場を予約し、シュツットガルト空港パーキングビル「P6」のAVP専用の乗降場所に車をとめる。そこからは車が無人で予約した駐車場まで自走する。帰りはアプリで車を呼べば、駐車している場所からAVP専用乗降場所まで自走する。

メルセデス・ベンツは自動車線維持システム(ALKS)による自動運転についても、2021年12月に世界で初めて、KBAから型式認証を取得している(2021年12月21日記事参照)。

(注1)バレーパーキングとは、運転手に代わって係員が駐車するサービス。AVPでは自動運転技術を活用し、無人かつ自動で車を駐車させる。

(注2)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル4は、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態の走行が可能。

(クラウディア・フェンデル)

(ドイツ)

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