ボッシュとAPCOA、自動バレーパーキング向け駐車場を拡大

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年02月07日

ドイツの自動車部品大手ボッシュは1月23日、駐車場運営のAPCOAと協力し、無人かつ自動で駐車できる自動バレーパーキング(AVP、注1)技術を2023年からさらにドイツ国内15カ所のAPCOAパーキングビルに導入すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

都市としては、ハンブルク、ベルリン、ケルン、フランクフルト、ミュンヘンなどを想定する。自動運転のレベル4(注2)に相当する商用AVPサービスを提供する。両社は当面、パーキングビル1棟当たり最大4台分のAVP向け駐車場を設置、今後数年間で同最大200台まで拡大する。また、ドイツのみならず、今後数年間でフランスなどの外国でも数百カ所規模で展開する計画だ。

パーキングビルにはボッシュ製のステレオカメラを設置、空き駐車場の把握だけでなく、障害物や人など車両の周辺情報を認識する。また、ボッシュによると、車両側の技術的前提条件は最低限に抑えられ、どの車両クラスでもAVPサービスが受けられるという。AVPサービスの利用者はAPCOAの「APCOA FLOW」のスマートフォンアプリで駐車場を予約し、パーキングビルのAVP専用の乗降場所に車を止める。そこからは車が無人で予約した駐車場まで自走する。帰りはアプリで車を呼べば、駐車している場所からAVP専用乗降場所まで自走する。同技術の活用により、パーキングビルのキャパシティーを最大2割増やすことができる。

ボッシュとAPCOAは2020年10月からドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツグループと連携し、シュツットガルト空港パーキングビル「P6」でAVP実験を行った(2020年10月29日記事参照)。その後、メルセデス・ベンツとボッシュが共同開発したAVPは2022年11月、ドイツ連邦自動車局(KBA)に承認され(2022年12月9日記事参照)、世界初の自動運転のレベル4に相当する商用AVPサービスが提供された。

(注1)バレーパーキングとは、運転手に代わって係員が車を駐車するサービス。AVPでは自動運転技術を活用し、無人かつ自動で車を駐車させる。

(注2)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル4は、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態の走行が可能。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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