商船三井、アンモニア発電スタートアップの米アモジ―と提携を発表

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年03月24日

海運大手の商船三井は3月23日、米国のスタートアップのアモジー(本社:ニューヨーク州ブルックリン)と商船三井子会社のMOL PLUSと、アモジーが開発するアンモニア発電システム(注1)の船舶利用やアンモニアのサプライチェーン構築に向けた覚書を3社間で締結したと発表した。また、覚書の締結に合わせ、MOL PLUSはアモジーへの出資を決定したと明らかにした。

商船三井は、アモジーが開発するアンモニア発電システム技術の社会実装実現を支援するため、同社グループ運航船でのアンモニア発電システム利用や、アンモニア発電システム搭載船へのアンモニア燃料供給をはじめとしたアンモニアバリューチェーン構築に向けた取り組みでアモジーとの協業を検討していくとしている。

また、商船三井子会社でコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のMOL PLUSは、アモジーが船舶やトラックの脱炭素化や温室効果ガス(GHG)排出量削減に大きく寄与することに期待するとして、今回の資金調達に参画した上で協業を推進していく方針だ。

アモジーは2023年1月に、アンモニア燃料から発電するゼロエミッション大型トラック(注2)の試験に成功し、同社は今後、国際海運・運送業界で戦略的パートナーシップを追求していくとしていた(2023年1月18日記事参照)。

なお、米国での商船三井の最近の脱炭素化取り組みとして、2022年11月に米国シェブロンと二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)向け液化CO2海上輸送事業開発で提携(2022年11月11日記事参照)の発表、JERAと燃料アンモニアの輸送に向け協業(2022年11月28日記事参照)の発表などがある。2月にはカナダのメタネックスとバイオメタノール燃料を用いたネットゼロ航海実施(2023年2月28日記事参照)を発表している。

(注1)液体アンモニアから水素を生成し、電力を生み出すことが可能で、CO2を排出せず、効率的かつ経済的に船舶や自動車、ドローンなどを動かすことができる動力源となる。

(注2)人員、貨物などを含む車両総重量が3万3,001ポンド(約15トン)以上の重さの大型トラック。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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