商船三井とカナダのメタネックス、バイオメタノール燃料を用いたネットゼロ航海を実施

(米国、日本、カナダ、ベルギー)

ヒューストン発

2023年02月28日

海運大手の商船三井とカナダのメタネックスは2月28日、環境負荷の低いメタノールと重油の二元燃料船「ケイジャンサン」において、世界初のバイオメタノール燃料を活用したネットゼロ(注)航海を実施したと発表した。両社は、本航海を通じて、舶用燃料としてのメタノールの有用性と、海運業界の脱炭素化への道を示したとしている。

発表によると、商船三井がメタネックスの子会社ウォーターフロントシッピングに貸船する同船は、1月17日に米国ルイジアナ州ガイスマー港を出港し、2月4日にベルギー・アントワープ港で航海を完了した。

商船三井の燃料部担当執行役員である髙橋和弘氏は「メタネックスおよびウォーターフロントシッピングとは長きにわたりパートナーシップを築いており、2022年にウォーターフロントシッピング発行済み株式の40%を取得したことにより、その関係はさらに強固なものとなった。その成果の1つとして、バイオメタノールを用いたネットゼロ航海を達成したことを喜ばしく思っている。当社は、海運業界の先駆けとして環境負荷低減に取り組んでおり、足元から利用可能なメタノールは大変有望な代替燃料の1つだ。また、当社は、海運業界が用いる代替燃料のサプライチェーン上におけるさまざまな取り組みも進めている」と述べた。

商船三井の米国における最近の脱炭素化の取り組みとしては、2022年11月に、米国シェブロンと二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)向け液化CO2海上輸送事業開発で提携を発表した(2022年11月11日記事参照)。また、同月にJERAと燃料アンモニアの輸送に向け協業(2022年11月28日記事参照)を発表した。

(注)燃料の製造プロセスも考慮して、ライフサイクルベースで温室効果ガス(GHG)排出総量が実質的にゼロであることを指す。

(沖本憲司)

(米国、日本、カナダ、ベルギー)

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