米アモジー、アンモニア燃料のゼロエミッション大型トラックを発表

(米国)

ヒューストン発

2023年01月18日

輸送部門の脱炭素化を手掛ける米国のアモジー(本社:ニューヨーク州ブルックリン)は1月17日、アンモニア燃料から発電するゼロエミッション大型トラック(注1)の試験に成功したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

アモジーの独自技術により、車両内でアンモニアを水素に変換の上、水素を燃料電池に送り込み、車両に電力を供給することが可能となる。同社はアンモニアから電力の供給量を18カ月間で5キロワット(kW)から300kWまで拡大したとしている。

発表によると、大型トラックは輸送部門の温室効果ガス(GHG)総排出量の23%を占める一方で、長距離輸送のため多くのエネルギーが必要となることから、バッテリーなどの代替エネルギーでは対応が困難とされている。アンモニアは既に毎年2億トンが生産・輸送されており、アモジーの独自技術を活用することで、大型トラックにとって理想的で利用しやすい代替燃料になり得るという。

アモジーのセオンフン・ウー最高経営責任者(CEO)は「アンモニアは、その驚くべきエネルギー密度と常温で液体という利点に加え、既存のインフラを利用して世界中で利用可能なことから、大型輸送の急速な脱炭素化を実現するための最適な燃料だ」「アンモニアから電力を供給する技術の対象として、最初はドローン、次にトラクター、そして今回はトラックで成功した。近い将来、さらに発電規模を拡大し、国際海運など脱炭素化が困難な分野に取り組むことを楽しみにしている」と述べた。

今回の大型トラック試験の成功を受けて、アモジーは国際海運・運送業界における戦略的パートナーシップを追求していくとしている。これには、2023年後半に発表予定の1メガワット(MW)規模のアンモニア燃料を動力とするタグボート(注2)が含まれるという。アモジーは、2040年までに50億トン以上の二酸化炭素(CO2)相当量を削減するという同社目標に向けて取り組むとしている。

(注1)人員、貨物などを含む車両総重量が3万3,001ポンド(約15.0トン)以上の重さの大型トラック。

(注2)港湾で船舶や水上構造物を押したり引いたりするための船を指す。

(沖本憲司)

(米国)

ビジネス短信 cb470f99d9572287