日・タジク政府間委員会会合、6年ぶり開催

(タジキスタン、日本)

欧州ロシアCIS課

2023年03月24日

タジキスタンのドゥシャンベにおいて313日、「日・タジキスタン経済・技術・科学協力政府間委員会」第2回会合が開催された。20174月に東京で行われた第1回会合から約6年ぶりの開催だ。

写真 会合の様子(ジェトロ撮影)

会合の様子(ジェトロ撮影)

日本からは池上正喜中央アジア担当外務省特別代表・大使(欧州局参事官)をはじめとする関係省庁のほか民間企業を含め14の団体・企業が参加し、タジキスタンからはアフリッディン・ヌリッディンゾーダ経済発展省次官を筆頭に各省庁・団体から代表者が参加した。会合では、タジキスタンの投資・ビジネス環境、両国ビジネス関係における有望分野、SDGs分野における協力の展望、人への投資について意見交換を行った。

投資・ビジネス環境のセッションでジェトロの仙台光仁理事は、外国投資誘致は一種の競争であり他国との比較において厳しい視線にさらされるとしながらも、タジキスタン政府が2022年1月に導入した入国時のビザ免除措置やウズベキスタンとの水力発電所建設計画(2022年6月17日記事参照)をはじめとする周辺国との協力姿勢を評価し、今後の可能性に期待を示した。

日本側から国際協力機構(JICA)による同国支援に関する発表のほか、現地でビジネスを行う日本企業によるプレゼンも行われた。

甘草の生産・精製・輸出を行うアバリンは、10年以上現地で活動してきた経験を踏まえ、日本から投資を呼び込むために税制改善や特定分野における知名度向上に向けた取り組みをするよう同国政府に提案した。

中小零細事業向け小口金融サービスを提供する五常・アンド・カンパニーは、タジキスタン市場の特徴として人口が増加傾向にあり平均年齢も若いこと、新型コロナウイルス感染拡大の影響により金融分野のデジタル化が進んだ点を挙げた一方、ロシアへの出稼ぎ労働者が多いことからロシア・ウクライナ情勢によって為替レートの不安定化やドル送金に影響を受ける点を指摘した。

タジキスタンは、水力発電、鉱業・冶金(やきん)業(アルミニウム、貴金属)、農業(綿花、果物・野菜)を主要産業とし、近年は自由経済区を設置して海外からの投資誘致にも注力している(2022年9月13日記事参照)。ヌリッディンゾーダ次官は会合で、これらの分野に加えてハイテク・IT分野、医薬品製造分野、観光分野の発展を進める方針を示し、日本企業の参加を呼びかけた。

(菱川奈津子)

(タジキスタン、日本)

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