サウジアラビアが上海協力機構への参加を閣議承認

(サウジアラビア、中国、イラン)

中東アフリカ課

2023年03月31日

サウジアラビア政府は3月29日、閣僚会議において、サウジアラビアに上海協力機構(SCO)の対話パートナー国としてのステータスを与えることについての覚書を承認した。3月29日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが報じた。

SCOは、2001年に中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンによって設立された、地域の安全保障や政治・経済的国際秩序の確立を目的とした常設の政府間国際機構。年1回、最高意思決定機関である首脳会議を開催している。2021年9月に開催された第21回首脳会議では、オブザーバー国として参加していたイランの正式加盟が認められた(2021年9月21日記事参照)

また、同閣僚会議ではSCO参加のほか、中国との技術職業訓練分野、および会計・監督・専門業務分野における協力に関する覚書案を、中国と協議して署名する権限の付与についても承認された。

サウジアラビアと中国は近年、政治・経済的な結びつきを強めている。2022年12月には中国の習近平国家主席がサウジアラビア・リヤドを訪問し、サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ国王と包括的戦略パートナーシップ協定に署名したほか(2022年12月12日記事参照)、両国の企業が34件の投資にかかる合意に署名した(2022年12月12日記事参照)。同合意は、グリーンエネルギーや情報技術、物流など多岐の分野にわたった。また、2023年3月には、中国が仲介するかたちで、サウジアラビアとイランが国交正常化を行うことで合意した(2023年3月13日記事参照)。

(久保田夏帆)

(サウジアラビア、中国、イラン)

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