サウジアラビアと中国の企業が34件の投資にかかる合意に署名

(サウジアラビア、中国)

リヤド発

2022年12月12日

中国の習近平国家主席によるサウジアラビア公式訪問(2022年12月12日記事参照)の一環で12月8日、サウジアラビアのハーリド・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・ファーレフ投資相と中国の各セクターに関連する政府機関代表者の立ち会いの下、両国企業が34件(注)の投資にかかる合意に署名した(12月8日付サウジアラビア国営通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

合意は、グリーンエネルギー、グリーン水素、太陽光発電エネルギー、情報技術、クラウドサービス、輸送、物流、医療産業、住宅および工場の建設など多岐の分野にわたる。

ファーレフ投資相は「今回の訪問は、経済や投資を含むあらゆる分野で両国の関係やパートナーシップを発展・強化しようとする両国の指導者の熱意を反映しており、両国の経済・投資協力のペースアップに貢献するものだ。サウジアラビアはビジョン2030の一環として、再生可能エネルギー、産業、通信、情報技術、バイオテクノロジー、観光、建築・建設などさまざまな分野で前例のない投資機会を提供している」と述べ、中国企業・投資家に対してサウジアラビアへの投資を呼びかけた。

サウジ国営通信社(SPA)やサウジアラビア政府は今回の合意内容を明らかにしていないが、9日付ロイターや各報道機関は以下の覚書(MOU)などが締結されたとしている。

  • サウジアラビア政府と中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の間で、クラウドデータコンピューティングとサウジアラビアの都市でのハイテク複合施設の建設に関する覚書を締結。
  • サウジアラムコと山東能源集団の間で、水素、再生可能エネルギー、二酸化炭素の回収と貯蔵に関連する技術協力に関する覚書を締結。
  • ACWA Power(サウジアクワパワー)と中国の企業の間で、サウジアラビアと中国の「一帯一路」イニシアチブにおけるクリーン再生可能エネルギープロジェクトへの資金調達、投資、建設に関する9件の覚書を締結。
  • サウジアラビア企業のSumou Holdings(スーモーホールディングス)と中国の天際汽車科技集団(ENOVATE)の間で、年間10万台の生産能力を持つ電気自動車工場をサウジアラビアに設立する覚書を締結。

(注)覚書締結数は35件との報道もあり、12月11日時点では最終的な締結数は不明。

(林憲忠)

(サウジアラビア、中国)

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