約20カ月ぶりに人民代表議会が再開、サイード大統領は地方議会を解散

(チュ二ジア)

パリ発

2023年03月27日

チュニジアで3月13日、人民代表議会の本会議が開会した。今回は1月の選挙で選出された議員による初の議会。2021年7月の議会活動一時停止(2021年7月28日記事参照)や、2022年3月の解散(2022年4月7日記事参照)を経て、約20カ月ぶりの招集となった。

2022年8月17日公布の新憲法では、大統領が人民代表議会を解散し、政令によって統治することが可能となっている。また、3月13日の会期初日には、議長にカイス・サイード大統領の側近で元チュニジア弁護士会会長のブラヒム・ブーデルバラ氏(70歳)が選出された。そのため、大統領権限のさらなる強化が懸念されている。

こうした中、サイード大統領は3月9日の官報に掲載された2023年第8大統領令で、2011年の革命後、チュニジアの民主主義の重要な成果とされてきた2018年選出の市町村議会を4月末の任期満了を待たずに解散した。その上で、大統領は2件の法案を発表。1つは市町村議会選挙に関するもので、立候補条件の詳細と選挙区分が新たに示された。もう1つの法案では、今後新設される上院に相当する「地域・県全国評議会」の議員が市町村議会議員の間接選挙により選出されることが定められた。これにより、新憲法に従い、従来の一院制に代わって、人民代表議会と今後選出される地域・県全国評議会の二院制システムが確立することになる。

(渡辺智子)

(チュ二ジア)

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