韓国政府、CHIPSプラス法のガードレール条項規則案をレビュー

(韓国、米国)

ソウル発

2023年03月27日

韓国産業通商資源部は、3月21日に米国商務省が発表した、ガードレール条項に関する規則案(2023年3月22日記事参照)に対する韓国半導体産業への影響をレビューし、その結果を公表した(2023年3月3日記事参照)。同部は、中国事業の生産設備の維持や部分的拡張(注1)、技術のアップグレードも引き続き可能(注2)と判断する一方、引き続き規則案の詳細を分析し、業界の意見集約を進め、米国と追加協議をするとした(注3)。

「東亜日報」(3月23日)は、今回の規則案の発表について、「中国での生産が全面的にストップするとの懸念があった中、サムスン電子とSKハイニックスは最悪のシナリオを免れた」とする一方、別途、米国商務省産業安全保障局(BIS)による輸出管理規則(EAR)に基づく中国向け規制があり、「サムスン電子やSKハイニックスの1年間のEAR適用猶予が終わった場合、技術のアップグレードが制限される可能性がある」と指摘し、引き続き不確実性が残るとしている。

(注1)産業通商資源部では、規則案の主な制限内容から次のように判断している。米国でのインセンティブプログラムを享受した企業は、中国などの「懸念国」で、(1)生産設備は10年間で5%以内の拡張が可能、(2)28ナノメートル以上のロジックチップ、128層未満のNAND型フラッシュメモリー、18ナノメートルを超えるDRAMなどの「レガシー半導体」の生産設備を有する場合、既存設備の生産能力を10年間で10%未満まで拡張が可能。

(注2)産業通商資源部では、集積度の増加を通じウエハー当たりのチップを増やすことが可能で、企業の戦略次第では追加的な生産拡大も可能と判断している。

(注3)政府間の事前協議などを通じ、米国側からガードレール条項の主要内容を事前に聴取していた(2023年3月9日記事参照)。

(当間正明)

(韓国、米国)

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