2022年は多くの国で経済回復の見込み、アフリカ開発銀行が報告

(アフリカ)

中東アフリカ課

2023年03月30日

アフリカ開発銀行(AfDB)は3月6日、「アフリカとグローバル経済のトレンド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同報告書はアフリカ各国のマクロ経済指標を四半期または月ごとに算出しており、2022年は第3四半期(7~9月)まででほとんどのアフリカ諸国がプラス成長を記録した(添付資料表1参照)。主要国の最近の四半期の成長率を見ると、南アフリカ共和国が前年同期比4.1%だったほか、エジプト(注)が同3.2%、ガーナが2.9%、ケニアが4.7%、ナイジェリアが2.2%だった。

インフレ率を見ると、2022年12月は南スーダン以外の全ての国がインフレを記録した(添付資料表2参照)。特にジンバブエが243.8%で最も高かったほか、スーダンで87.3%、ガーナで54.1%を記録した。主要国では南ア7.2%、エジプト21.3%、エチオピア33.8%、ケニア9.1%、モロッコ8.3%、ナイジェリア21.3%だった。

2022年の貿易を見ると、多くの国で輸出が拡大した(添付資料表3参照)。第2四半期(4~6月)はアルジェリアやザンビアが前年同期比で2倍以上だったほか、主要国を見ても、エジプトが81億ドルから114億ドルで40.7%増、ガーナが37億ドルから45億ドルで21.6%増、ナイジェリアが125億ドルから182億ドルで45.6%増となった。一方、南アは331億ドルと前年の339億ドルから2.4%減少した。輸入についても、多くの国で増加した。第2四半期では、南ア(FOB)が232億ドルから287億ドルで23.7%増、エジプト(CIF)が196億ドルから213億ドルで8.7%増、ガーナ(FOB)が34億ドルから40億ドルで17.6%増、ナイジェリア(CIF)が124億ドルから139億ドルで12.1%増だった。

外貨準備については、2023年1月時点で、エジプトで前年同期の410億ドルから342億ドルで16.6%減少したほか、ナイジェリアで400億ドルから370億ドルと7.5%減少するなど、多くの国が減少した(添付資料表4参照)。2022年12月に事実上のデフォルトに陥ったガーナ(2022年12月21日記事参照)の同時期の外貨準備は62億ドルで、2021年12月の98億ドルから36.7%減だった。一方、南アでは619億ドルと前年の572億ドルから8.2%増だった。

アフリカ各国で通貨安が進んでおり、2023年1月にはジンバブエで、2021年1月の1米ドル=82.7ジンバブエ・ドルから、775.1ジンバブエ・ドルと、2年間で837.2%の下落を記録した(添付資料表5参照)。主要国では、2022年10月により柔軟な変動相場制に移行したエジプト(2022年10月28日記事参照)で2023年1月現在、1米ドル=30.2エジプト・ポンドとなっており、1年前の15.7ドルから92.4%下落している。

(注)エジプトは第2四半期まで公開されている。

(梶原大夢)

(アフリカ)

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