税制改革の進展、政局の動きに注目

(モザンビーク)

マプト発

2023年02月03日

モザンビーク政府は2022年12月に、2023年の経済・社会計画と国家予算(PESOE)を発表し、2023年の経済成長率目標を前年比1.2ポイント増の5.0%とした(2023年1月11日記事参照)。経済成長を促進する施策の1つとして「経済加速パッケージ(PAE)」(2022年8月19日記事参照)で示している税制改革は2023年内に実施される予定だ。既に付加価値税(VAT)率を1月1日から改定し、これまでの17%から16%に引き下げている(2023年2月1日記事参照)。VATのほか、法人所得税も農業や養殖業、公共交通分野を対象に、従来の32%から10%へ引き下げる予定だ。これらの分野の法人税引き下げは民間投資を促し、参入事業者を増やすことを狙いとしている。

モザンビークでは、2024年に5年ぶりの大統領・国会議員選挙を控えており、2023年10月にはその前哨戦となる地方自治体選挙が実施される。2018年に行われた地方自治体選挙では、53自治体のうち44自治体で現政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)が最多得票政党となり、同党から自治体首長が選出された。野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)は8自治体、それに次ぐ野党・モザンビーク民主運動(MDM)は1自治体での勝利にとどまった。野党が勝利した自治体はナンプラ州ナンプラ市、ザンベジア州キリマネ市、ソファラ州ベイラ市などの州都を含むモザンビーク北部・中部に集中している。国内では、首都マプトのある南部と比較して、北部・中部は開発の遅れなどが指摘されており、有権者の間では与党に対する反発感情があるとみられている。2023年の地方自治体選挙は地方部の政党基盤を測るものとして注目されている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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