カナダ政府、2,350基のEV充電器設置に1,500万カナダ・ドルを助成

(カナダ)

米州課

2023年02月09日

カナダ天然資源省は2月3日、電気自動車(EV)の充電器整備に連邦投資として約1,500万カナダ・ドル(約14億7,000万円、Cドル、1Cドル=約98円)を拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。連邦全体で2,350基のEV充電器を設置する計画で、そのうち2,100基をトロント大都市圏(グレーター・トロント・エリア:GTA)全域に設置するとしており、地方自治体、多目的集合住宅(MURB)、民間企業、公益事業を含む32団体が助成対象となっている。

カナダ天然資源省の「電気自動車インフラ・デモンストレーション(EVID)プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じては、オンタリオ州におけるホーム・アンド・ローミング低炭素EV充電エコシステム・プロジェクトのためにアイビー・チャージング・ネットワークに92万2,934Cドル、同州での改良されたEV充電システムの開発・実証を行うSWTCHエナジーに29万Cドルをすでに助成している。また、同省の「ゼロエミッション車インフラ・プログラム(ZEVIP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じての助成は31プロジェクトが対象で、助成対象にはカナダ日産自動車が含まれている(添付資料表参照)。

カナダ政府ホームページ上では、カナダ国内で活動する企業や団体が、自身のゼロエミッション車(ZEV)インフラストラクチャ案件に最適な資金調達の機会を求め、容易にアクセスできるよう、ZEVインフラファンディングの専用ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げ、情報提供を行っている。カナダ政府は2016年以来、EVと充電器普及に10億Cドルを投資しており、現在までに支援の資金拠出を承認したEV充電器の台数は3万4,500基以上に上るという。

カナダ政府は5万基の新しいZEV用充電器を新規設置するという政府目標に向け、2022年予算ではZEVインフラの整備の展開継続のために、カナダ天然資源省およびカナダ・インフラストラクチャ銀行に9億Cドルの予算が追加計上されている。2022年予算では、政府の購入インセンティブプログラムを2025年3月まで延長し、対象となる車両モデルの種類の拡大に17億Cドルを拠出。以前より幅広い種類のバン、トラックおよびSUV(スポーツ用多目的車)が含まれるようになった。また、2022年度予算では、EVやバッテリーなどのクリーンテクノロジー用途の金属を含むカナダの重要鉱物戦略の実施に8年間で最大約40億Cドルの予算を計上している。さらに、「2022年秋の経済声明」には、クリーンエネルギーの生成・貯蔵の支援とともに、産業用ゼロエミッション車両の充電および燃料補給装置を含むクリーンテクノロジーに対する投資税額控除が盛り込まれている(2022年11月11日記事参照)。

カナダ政府は、今回の資金拠出を含めたこうした投資は、カナダ国内で販売される全ての新車乗用車を2035年までにゼロエミッション車化するという政府目標(2021年7月8日記事参照)の達成に向けたさらなるステップで、カナダの野心的な気候変動目標達成に向けた一環だと述べている。

(高山さわ)

(カナダ)

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