カナダ政府、バンクーバー大都市圏を中心とした2,416基のEV充電器設置に1,900万カナダ・ドルを助成

(カナダ)

米州課

2023年02月28日

カナダ政府は2月24日、電気自動車(EV)用充電器の最大2,416基の設置に、合計1,900万カナダ・ドル(約19億円、Cドル、1Cドル=約100円)を助成すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。地方自治体、集合住宅、民間企業、公益事業などの26組織が助成対象となっており、全体のうち1,880基以上がブリティッシュ・コロンビア(BC)州のバンクーバー大都市圏(グレーター・バンクーバー)に設置される予定だ。今回の発表は、EV充電器を連邦全体で2,350基、そのうち2,100基をオンタリオ州のトロント大都市圏(グレーター・トロント・エリア:GTA)に設置するための約1,500万Cドルの助成(2023年2月9日記事参照)に続くものとなっている。

26組織の内訳としては、まず、ユーザーの電力会社口座に直接接続するEV充電インフラを開発するタップ・アンド・ゴー(Tap&Go)に、天然資源省の「EV・インフラ・デモンストレーション(EVID)プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」から200万Cドルが提供される。また、セブン-イレブン・カナダに対し2件、各4万9,000Cドルが天然資源省の「EV・代替燃料インフラ展開イニシアチブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて提供される。そのほか、23の組織に対しては、カナダ天然資源省の「ゼロエミッション車インフラ・プログラム(ZEVIP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて助成が行われる(添付資料参照)。

また、連邦レベルの助成と同時に、BC州政府からも「クリーンBC・ゴー・エレクトリック・プログラム(CleanBC Go Electric Program)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて、同州に設置されるレベル3の公共充電器に220万Cドルが提供されることが併せて発表された。

カナダ政府は2016年以来、EVと充電器の普及に10億Cドルを投資しており、現在までに支援の資金拠出を承認したEV充電器の台数は3万4,500基以上に上るという。5万基のZEV用充電器を新規設置するという政府目標に向け、2022年予算では、ZEVインフラの整備の展開継続のために、カナダ天然資源省およびカナダ・インフラストラクチャ銀行に9億Cドルの予算が追加計上されている。また、2022年予算で政府の購入インセンティブプログラムを2025年3月まで延長し、対象となる車両モデルの種類の拡大に17億Cドルを拠出したことで、以前より幅広い種類のバン、トラックおよびSUV(スポーツ用多目的車)が含まれるようになった。また、2022年予算では、EVやバッテリーなどのクリーンテクノロジー用途の金属を含むカナダの重要鉱物戦略の実施に、8年間で最大約40億Cドルの予算を計上している。さらに、「2022年秋の経済声明」には、クリーンエネルギーの生成・貯蔵の支援とともに、産業用ゼロエミッション車両の充電および燃料補給装置を含むクリーンテクノロジーに対する投資税額控除が盛り込まれている(2022年11月11日記事参照)。

カナダ政府は、今回の資金拠出を含めたこうした投資は、カナダ国内で販売される全ての新車乗用車を2035年までにゼロエミッション車化するという政府目標(2021年7月8日記事参照)の達成に向けた、さらなるステップであるとしており、普及に向けた政府の一連の支援推進により、現在までに、ゼロエミッション車を購入するための連邦政府のインセンティブを利用したカナダ人およびカナダの企業の総数は18万5,000を超えているという。

(高山さわ)

(カナダ)

ビジネス短信 64b01783ca7d445a