欧州フォード、電動化受け2025年までに3,800人を人員整理

ドイツ西部のノルトライン・ウェストファーレン（NRW）州ケルンに本社を有する欧州フォードは2月14日、同社の従業員代表と欧州におけるリストラクチャリングで合意したと発表した。

合意によると、まず2025年末までに欧州全体で約3,800人の人員整理を行う。フォードは人員整理の理由について、電動車の生産拡大に当たって開発部門と管理部門を再編し、組織を簡素化、柔軟化する必要があるためとしている。ドイツ国内の人員整理は約2,300人。開発部門では、欧州全体で2,800人、うちドイツ国内で1,700人が削減対象。管理部門では、欧州全体で約1,000人、うちドイツ国内では600人が削減対象になる。

他方、欧州フォードは従業員代表と、NRW州のケルン拠点とアーヘン拠点では2032年までは整理解雇を行わないことでも合意した。フォードはドイツ国内で、ケルンに欧州統括拠点と工場、研究開発拠点、オランダとベルギーに隣接するアーヘンに研究開発拠点、フランスとの国境に位置するザールラント州ザールルイに工場を有する。2025年末までの人員整理では、補償金支払い、早期退職プログラムなどによる希望退職となる。

フォードは欧州で販売する全ての乗用車モデルについて、2030年からバッテリー式電気自動車（BEV）のみとする計画だ（2021年3月23日記事参照）。2022年3月には、ケルン工場に総額20億ドルを投資し、約6年間で約120万台のBEVを生産すると発表している（2022年3月18日記事参照）。

なお、欧州自動車工業会（ACEA）によると、フォードの2022年の欧州（注）での新車登録台数は前年比0.3％減の51万6,614台で、シェアは4.6％。ドイツ連邦自動車局（KBA）によると、フォードの2022年のドイツにおける新車登録台数は3.9％増の13万1,256台で、シェアは5.0％となった。

（注）EU加盟国、欧州自由貿易連合（EFTA）加盟国、英国の合計。

（高塚一)