米フォード、2026年から欧州で年間60万台以上のBEVを販売

(ドイツ、欧州、米国、トルコ)

ミュンヘン発

2022年03月18日

米国フォードは3月14日、2026年から欧州で年間60万台以上のバッテリー式電気自動車(BEV)を販売すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。目標達成に向けて、同社は2024年までにBEVの新モデルを乗用車で3種類、商用車で4種類導入する。

BEVの第1の乗用車新モデルは、2023年からドイツ西部のノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州ケルン工場で生産する。2024年からは第2の新モデルの生産を同工場で開始する予定。総額20億ドルを投資し、約6年間で約120万台のBEVを生産する。同社は2021年2月、ケルン工場を欧州向けBEVの研究開発・製造拠点にすべく、10億ドルを投じると発表していた(2021年3月23日記事参照)。今回発表した新規投資には、2024年に稼働予定の蓄電池組み立て設備の新設も含む。第3の新モデルは乗用車「プーマ(Puma)」のBEVモデルで、2024年からルーマニアのクラヨバ工場で生産する予定。なお、フォードは全世界で2026年までに年間200万台以上のBEVを販売する目標を掲げている

フォードはドイツ国内で、ケルンに欧州統括拠点と工場、研究開発拠点、オランダとベルギーに隣接する同じくNRW州アーヘンに研究開発拠点、フランスとの国境に位置するザールラント州ザールルイに工場を有する。ドイツ自動車産業連合会(VDA)によると、2019年のフォードのドイツ国内の乗用車生産台数は49万8,607台で、国内乗用車生産台数の約1割。ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、2021年のフォードのドイツ国内新車登録台数は12万6,358台で、全体の4.8%を占めた。

フォードは今回の発表で、韓国のSKオン、トルコのコチ財閥とトルコ・アンカラ近郊に、蓄電池セル生産の合弁会社を設立する覚書を締結したことも明らかにした。生産稼働は2025年ごろを想定、年間生産能力は30~45ギガワット時の予定。BEVやプラグインハイブリッド車の販売増に伴い、欧州域内で車載用蓄電池の生産工場を新設する動きが相次いでいる。

(高塚一)

(ドイツ、欧州、米国、トルコ)

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