韓国銀行、基準金利を3.50%で据え置き

(韓国)

ソウル発

2023年02月27日

韓国銀行(中央銀行)は2月23日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行の水準(3.50%)に据え置くと発表した(2023年1月17日記事参照)。今後、物価上昇率(注)は次第に低下するものの、目標水準を上回るものと見込まれ、また、政策環境の不確実性も高いことから、インフレ鈍化のスピードと不確実性要因の動向をモニタリングしつつ、追加利上げを行うかどうかを判断するとした。

同行は2021年8月以降、基準金利を段階的に引き上げてきた(2021年8月30日記事参照)。今回の据え置きの理由については、IT関連の輸出減少が続き、消費の回復が鈍化傾向にあることを挙げた。さらに、2022年11月に発表した2023年の実質GDP成長率見通し(1.7%)を1.6%に下方修正した。

「東亜日報」(2月24日付)は、李昌ヤン(金へんに庸)総裁の会見の様子を伝えた。今後の基準金利の動向については、「金融通貨委員のうち、1人は現行の金利水準を据え置くべきとの意見だったが、5人は当面、3.75%に引き上げる可能性を残しておくべきとの意見だった」と紹介し、4月に追加利上げを行う可能性があるとの見方を示した。

(注)2023年1月の消費者物価上昇率(前年同月比)は5.2%(2023年2月2日記事参照)。

(当間正明)

(韓国)

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