韓国銀行、新型コロナ禍でアジア主要国初の利上げ、政策金利0.75%に

(韓国)

ソウル発

2021年08月30日

韓国銀行(中央銀行)8月26日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、年0.75%にすると発表した。韓国の政策金利は、2020年5月に0.75%から0.5%に引き下げられて以来、据え置かれていた。「新型コロナウイルス禍」で、韓国がアジアの主要国で利上げに踏み切った初めての国と報じられている(ブルームバーグ電子版8月27日)。

今回の政策金利の引き上げについて、韓国銀行は、内外経済、物価上昇率および金融政策を以下のとおり説明している。

1.世界経済・国内経済の現状

世界経済は、主要国での新型コロナワクチン接種の拡大、経済活動制限の緩和などにより回復傾向にあったが、デルタ株の拡大などの影響で主要国の国債金利が下落し、米国FRB(連邦準備制度理事会)は年内のテーパリング(量的緩和の縮小)の可能性を示していることで、米ドルが上昇、新興国の株価が下落している。国内経済は、民間消費がやや鈍化したが、輸出は好調を維持し、設備投資も堅調な流れを示した。雇用状況は、就業者数が継続して増加している。国内経済は、新型コロナワクチン接種の増加、補正予算の執行などで回復基調が継続するものとみられ、2021年の実質GDP成長率は4%になると予想される。

2.物価上昇率

消費者物価上昇率は、石油価格、農水産物価格、さらにサービス価格の上昇などにより、想定を上回る2%台半ば、コア・インフレ率(価格変動の大きい食料品とエネルギーを除いた物価上昇率)は1%台前半で推移している。2021年の物価上昇率は、5月の見通し(1.8%)を上回る2%台前半、コア・インフレ率は1%前半になることが予想される。

3.金融政策

金融市場では、国内の新型コロナウイルス感染拡大などを受け、株価が下落、ウォン安ドル高が進んだ。また、個人向け融資は増加基調を強め、住宅価格は首都圏、地方ともに高い上昇率を示している。このような状況で、今後、経済成長が持続し、中長期的な物価上昇率が目標水準で安定することを目指す一方で、金融の安定に留意して金融政策を運用していく。新型コロナウイルスの影響による不確実性の中、国内経済が良好な成長を持続しつつ、物価上昇率が当面2%を上回ると予想されるため、今後も通貨政策の緩和の度合いを段階的に調整していく。

他方、今回の利上げにより、新型コロナウイルスの影響を受ける自営業者などの負担が増大する見込みだ。利上げに伴い、家計の利子負担の総額は約3兆1,000億ウォン(約2,914億円、1ウォン=0.094円)増加すると見込まれると報じられている(「ハンギョレ新聞」電子版8月26日)。

(当間正明)

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