2022年末の中国の新エネ車保有は1,310万台、取得税免除が寄与

(中国)

中国北アジア課

2023年01月18日

中国国家税務総局は1月13日、2022年における新エネルギー車の車両取得税の免除額が前年比92.6%増の879億元(約1兆6,701億円、1元=約19円)に達したと発表した。新エネルギー車の車両取得税免除措置は、消費拡大と新エネルギー車産業の発展のため、2014年から実施しており、2022年9月には同取得税の免除期間を2023年末まで延長することが発表された(2022年9月28日記事参照)。

なお、2022年12月末時点の中国国内の自動車保有台数について、公安部は2023年1月11日に、合計3億1,900万台に達したと発表した。うち、新エネルギー車の保有台数は1,310万台で、全体の4.1%を占めた。また、2022年の全国の新エネルギー車の新規登録台数は前年比81.5%増の535万台で、全体の23.1%を占めた。2018年の新規登録台数が107万台だったことに鑑みると、新エネルギー車の保有台数が急速に増加してきたことが分かる。急速な上昇の背景には、新エネルギー車取得税免除、メーカー向け補助金などの優遇措置が背景にあったとみられる。

2022年の新エネルギー車の販売台数に目を向けると、中国自動車工業協会(CAAM)が2023年1月12日に発表したデータでは、前年比93.4%増の688万7,000台となり、自動車の販売台数全体に占める割合は25.6%に達した。CAAMによると、中国の新エネルギー車販売は8年連続で世界1位を記録したという(2023年1月16日記事参照)。「新エネルギー車産業発展計画(2021~2035年)」で掲げた「2025年までに自動車販売全体における新エネルギー車占有率を20%前後にする」という目標を早期に達成したことになる。さらに、北京市比亜迪(BYD)汽車販売の王剛セールスマネジャーは「新エネルギー車取得税免除の優遇措置が2023年末まで延長されたことは、新エネルギー車産業の健全な発展を奨励・支援する国の姿勢を示している。優遇措置のもと、2023年も新エネルギー車の販売台数は高い伸びを維持するだろう」との見解を示した。

また、CAAMの陳士華副秘書長は、中国における新エネルギー車は徐々に市場全体が拡大していくと述べた上で、2023年には半導体チップの供給不足などの問題は大幅に緩和され、新エネルギー車の市場は引き続き急速な成長を続けるだろう、と強い期待を示した(「新華社」1月13日)。

(富永笑美子)

(中国)

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