三菱商事、日本製鉄、米エクソンがCCS事業で提携

(米国、日本、オーストラリア、マレーシア、インドネシア)

ヒューストン発

2023年01月26日

三菱商事、日本製鉄、米国の石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)が、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトの実現に向け覚書(MOU)を締結したと、複数のメディアが1月25日に報じた。

報道によると、日本製鉄は日本国内の製鉄所から排出されるCO2を回収し、エクソンモービルが手掛けるオーストラリア、マレーシア、インドネシアなどのCCS施設での地下貯留を検討する。三菱商事は、液化したCO2を専用船で枯渇したガス田や他の貯留場所への輸送などを担当するという。

世界のCO2排出量の約7〜9%を占める製鉄からのCO2排出量を削減することは、気候変動対応における重要な取り組みとされており(ロイター1月25日)、今回の3社のCCSプロジェクトの取り組みを通じて、製鉄からのCO2排出量の削減が期待される。

エクソンモービルは、脱炭素化に向けた、CCS事業の取り組みを進めている。2022年5月には同社のワイオミング州内のCCS施設拡張に向け、フランスのテクニップ、米国ソールズベリーと、設計・調達・建設(EPC)の契約を締結(2022年5月13日記事参照)、10月には米国エンリンク、米国CFインダストリーズとルイジアナ州のCCSプロジェクトで提携(2022年10月13日記事参照)、11月には三菱重工エンジニアリングとCO2回収技術で提携(2022年12月1日記事参照)を発表した。

三菱商事も同様の取り組みを進めており、2021年9月には、米国デンバリーとメキシコ湾岸のCO2輸送・貯留で合意(2021年9月28日記事参照)を発表した。

(沖本憲司)

(米国、日本、オーストラリア、マレーシア、インドネシア)

ビジネス短信 7a3f34cf515340b3