2023年の経済政策は引き続き安定が第一、内需拡大を重点政策の筆頭に

(中国)

北京発

2022年12月20日

中国の翌年の経済政策の方針を決める中央経済工作会議が12月15~16日に北京市で開催された。会議では、2022年の経済政策の成果として、厳しい国際環境とますます大きく重大になる国内改革発展安定の任務に直面するなかでも、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染防止抑制と経済社会発展を統合し、発展と安全を統合し、マクロコントロールの力を高め、予想を超える要因の衝撃に対応し、発展の質を段階的に引き上げ、雇用や物価を基本的に安定させ、食糧の安全、エネルギーの安全、人民の生活を有効に保障し、経済社会の大局の安定を保ったと評価した。

また、会議では、中国経済の回復の基礎はいまだ堅固ではなく、需要の収縮、供給のショック、期待の低下という三重の圧力に依然直面しており、外部環境の変動が中国経済に与える影響も大きいが、各種の政策の効果が表れることにより、2023年の経済は全体として回復するとの見通しを示した。

2023年の経済の基本方針としては、引き続き「安定」を第一とし、「穏中求進」(安定の中で前進を求める)という全体の基調を堅持するとしたほか、積極的な財政政策と穏健な金融政策を引き続き実施するとした。産業政策は発展と安全をともに推進すること、科学技術政策は自立自強に焦点を当てること、社会政策は民生のボトムラインを保障することとした。社会政策の中では、特に雇用優先政策を徹底的に実施し、青年、特に大学卒業生の就職に向けた取り組みを最も重要なものと位置付けた。なお、新型コロナ対策に関しては、新型コロナ感染防止抑制と経済社会発展のより高いレベルでの統合を行うとされた。

2023年の重点政策の筆頭には、「国内需要を着実に拡大させる」が置かれ、消費の回復と内需拡大を重視する姿勢が示された。2番目には、「現代化産業システムの建設を加速する」が置かれた。自主コントロールが可能で安全かつ信頼できる産業システムの形成、重要資源の開発や備蓄の強化、プラットフォーム企業が発展を牽引し、雇用を創出し、国際競争の中で大きな役割を果たすことを支援すること、といった内容が盛り込まれた(添付資料表参照)。

このほか、不動産に関しては、住宅引き渡しの保証や需要面の支援などが盛り込まれつつも、「不動産は住むためのもので投機のためのものではない」との位置付けは引き続き堅持された。

(小宮昇平)

(中国)

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