広州市と深セン市、12月1日から新型コロナ防疫措置を最適化

(中国)

広州発

2022年12月02日

中国の広州市政府と深セン市政府はそれぞれ11月30日、新型コロナウイルス感染の防疫措置に関する記者発表を開いた。そので、中国国務院共同防疫メカニズムが11月11日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大の予防抑制措置をよりいっそう合理化し、科学的で精密な防疫を徹底する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2022年11月15日記事12月1日記事参照)などを受け、以下のとおり防疫措置の最適化を行うと発表した。

  1. 科学的かつ正確に高リスク地域を指定。原則として、感染者の居住地や頻繁に活動し感染拡大リスクの高い職場などの活動地などのエリアを高リスク地域に指定。当該地域の範囲は一般的に建物などの単位で設定し、むやみに適用範囲を拡大してはならない。また、封鎖管理解除の条件に合致する場合は、速やかに解除する。深セン市は11月30日にビル5棟を高リスク地域から除外し、封鎖管理対象の530人の隔離措置を解除した。
  2. 疫学調査を正確に実施。疫学調査は科学的かつ正確な原則に従って行い、速やかかつ正確に濃厚接触者の特定を行うべき。濃厚接触者の判定基準を恣意的に拡大してはならない。
  3. 濃厚接触者の隔離管理を着実に行う。 濃厚接触者は原則として集中隔離を受けるが、自宅隔離の条件を満たす場合には自宅隔離を行う。
  4. 科学的なPCR検査を実施。 PCR検査はリスクがある場所などの人員を対象に実施し、PCR検査の対象範囲をやみくもに拡大してはならない。行政区域内の全人員を対象とした一斉PCR検査は一般的には実施しない。
  5. ワクチン接種を加速。特に高齢者へのワクチン接種を強化する。

同発表を受け、広州市は11月30日に市内各地で防疫管理の見直しを相次いで発表した。11月11日から封鎖管理を実施していた海珠区では、12月1日から高リスク地域以外の全地域を低リスク地域に改めた(「南方網」11月30日)。

ジェトロが現地で状況を確認したところ、同区を含む市内の多くの区で区外への移動制限が解除されたほか、市内各地に設置していた無料PCR検査場の撤去や、飲食店・娯楽施設の営業再開など、急ピッチで緩和措置が進められている。こうした動きを受け、現地進出日系企業も、勤務態勢を見直すところが増えている。ジェトロが12月1日に黄埔区の日系製造業にヒアリングを行ったところ、「当初は生産ラインに関わる従業員のみを1週間通して出勤としていたが、12月2日から通常どおりの出勤態勢を再開する」との回答があった。

広東省衛生健康委員会の発表によると、11月30日の広州市の新規感染者数は6,312人(無症状感染者5,629人を含む、国内症例のみ)となっている。同日の深セン市の新規感染者数は228人(無症状感染者141人を含む、国内症例のみ)だった。

(田中琳大郎)

(中国)

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