衛生当局、新型コロナの新たな防疫措置を発表、入境者の隔離期間など調整

(中国)

北京発

2022年11月15日

中国国務院共同防疫メカニズムは11月11日、「新型コロナウイルス感染拡大の予防抑制措置をよりいっそう合理化し、科学的で精密な防疫を徹底する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

通知では、濃厚接触者や入境者の管理について、「7日間の集中隔離+3日間の自宅健康観察」から「5日間の集中隔離+3日間の自宅隔離」に調整するとした。入境者が最初の入境地で隔離を終えた後の目的地で再度隔離を行ってはならないとも規定した。

また、これまで「濃厚接触者の濃厚接触者」について、7日間の自宅隔離を求めていたが、今後は「濃厚接触者の濃厚接触者」の判定を行わないとした。

リスク等級については、従来、低・中・高の3段階となっていたものを低・高の2段階に調整し、高リスクエリアからの来訪者の管理は、「7日間の集中隔離」から「7日間の自宅隔離」に調整する(注1)。

国際旅客便のサーキットブレーカー措置を廃止、中国渡航前のPCR検査を1回に

中国渡航時の防疫措置に関しても、大きく変更した。2020年6月から導入していた国際旅客便のサーキットブレーカー措置(注2)を廃止するとしたほか、中国渡航前のPCR検査について、搭乗前48時間以内の1回の検査で陰性証明を取得すればよいとした(注3)。

重要なビジネス関係者などの入国については、外部から遮断された「バブル方式」での管理を行うことにより、隔離を免除することも規定した。

このほか、通知では、粗雑な対応や個別の事情を踏まえない一律の対応について是正の取り組みを強化するとした。具体的には、恣意(しい)的な学校・学級閉鎖、操業・生産停止や許可なしでの交通の遮断、長期間の封鎖を厳禁するとした。産業チェーン全体や市民生活への供給保障にとって重要な企業に対して、操業・生産停止を勝手に命じることや、新型コロナウイルス感染対応が原因で足止めされていた人員の帰還を拒むことも禁じた。

PCR検査については、一般的には区などを単位とする全員検査の実施は行わないとしたほか、1日に2回や3回の検査を求めるといった非科学的なやり方は是正するとした。

他方、通知では「ダイナミックゼロコロナ」(注4)の全体方針は引き続き堅持するとした。その上で、通知の解説に力を入れ、全市民にダイナミックゼロコロナ堅持の重要な意義を十分に認識させ、今回の措置が新型コロナ防疫の緩和や自由化だと決して誤解させてはならないとしている。

(注1)通知によると、高リスクエリアは原則として、感染者の居住地や、活動が頻繁でかつ感染拡大リスクが比較的高い勤務地などを指定し、かつ、一般的には建物単位で指定するもので、任意に拡大してはならないとした。また、高リスクエリアが所在する県(市・区・旗)のそのほかの地区を低リスクエリアとし、高リスクエリアで5日連続で新規感染者が確認されなければ、低リスクエリアに引き下げるとした。

(注2)中国民航局が2020年6月4日に発表した「国際旅客便の調整に関する通知」(民航発[2020]27号)に基づく措置で、これまで若干の調整はありつつも、一貫して運用してきた(2020年6月9日記事2020年12月24日記事参照)。国際旅客便について、中国到着時のPCR検査で確認された陽性者数に応じて運航停止や便数の増減を行うもので、同措置により、これまで日中間の航空便も含む多数の国際旅客便が運航停止や便数減による影響を受けていた。

(注3)これまで、日本から中国への渡航では、搭乗予定日の2日前に1回、出発時刻の24時間以内に1回、それぞれ別の指定検査機関でPCR検査を受けて陰性証明を取得した上で「緑」の健康コードを申請し取得することが求められていた(11月14日時点)。なお、在日中国大使館ウェブサイトでは、日本時間11月14日午後1時現在、今回の通知に対応した新たな発表はされていない。

(注4)中国政府当局や中国の防疫対応に携わる専門家の説明によると、「ダイナミックゼロコロナ」とは、国内の「感染者の発生をゼロにする」ものではなく、感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療を行い、コミュニティー(社区)内で持続的に感染が広がることを防ぐ防疫戦略を指す。

(小宮昇平)

(中国)

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