メルセデス、世界で初めて自動車線維持システムによる自動運転の型式認証を取得

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年12月21日

メルセデス・ベンツは12月9日、12月2日に世界で初めて、自動車線維持システム(ALKS)による自動運転の型式認証をドイツ連邦自動車局(KBA)から受けたと発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

KBAによると、今回の認証は、国連WG29(自動車基準調和世界フォーラム)が定める基準「高速道路等における運行時に車両を車線内に保持する機能を有する自動運行装置に係る基準(UN-R157)」に基づくもの(同局プレスリリース)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同基準は、高速道路などにおける時速60キロ以下での同一車線での自動運行装置に関するルールを定める。メルセデス・ベンツは今回、KBAから型式認証を受けたことで、上記条件下において、自動運転レベル3(注1)を可能にする車両を販売できる。ドイツでは国内の公道での自動運転レベル3を可能にするため、2017年6月に道路交通法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが改正されていた。

メルセデス・ベンツは今回の型式認証を受け、2022年上期に、ALKSの「ドライブ・パイロット(DRIVE PILOT)」を搭載したSクラスを販売する予定。Sクラスの電気自動車版となるEQSモデルも、今回の認証対象。UN-R157が定める条件下で「ドライブ・パイロット」を起動すると、乗用車が同一車線内で、速度維持、車間距離保持などを自動で操作する。また、回避すべき状況が起きた場合、乗用車が自ら、同一車線内で回避したり停止したりする。運転手は運転操作を引き継げる状況になくてはならないものの、「ドライブ・パイロット」での走行中は、電子メールの送信、インターネットの閲覧、映画の視聴などが可能になる。

メルセデス・ベンツの「ドライブ・パイロット」では、ライダー(LiDAR)技術(注2)を含むセンサー、カメラ、音声認識装置、湿度センサーなどが搭載され、周囲の状況を認識、加えて高精度3次元地図データでも周辺情報を認識して自動運転を行う。

なお、ドイツでは2021年5月、公道での自動運転レベル4を可能にする改正道路交通法も成立している(2021年6月7日記事参照)。

(注1)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベルで、5段階に分けられている。レベル3では、限定された領域内でシステムが原則全ての運転タスクを実施するが、作動継続が困難となる場合、運転手が適切な対応をする必要がある。レベル4では、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、運転手が全く関与しない状態での走行が可能。レベル5では、領域の限定なく自動運転が可能。

(注2)「Light Detection and Ranging(光による検知と測距)」の略。近赤外光や可視光など使い対象物に光を照射し、その反射光を光センサーで捉え対象物との距離や形状を測定する技術。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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