EU対応カレールーのメニュー開発セミナーでシェフに訴求

(ドイツ、日本)

デュッセルドルフ発

2022年12月08日

ドイツのデュッセルドルフ市で1128日、全日本カレー工業協同組合と日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)主催で、「カレーメニュー開発セミナー」が開催された。ドイツでの開催はベルリン(20221017日記事参照)に続き2回目で、在デュッセルドルフ日本総領事館とジェトロが後援した。市内の日本食レストランシェフや日系ディストリビューターなどを中心に34人が参加した。

全日本カレー工業協同組合の小形博行理事長は冒頭、「日本式カレーは明治初期に英国から調理法とともに渡来した。はじめは外食産業で普及し、その後、日本式カレールーの開発・普及に伴って家庭の味として広まった。今回のセミナーをきっかけに近い将来、ドイツでも日本式カレーが家庭の味として定着することを期待したい」とあいさつした。

各カレーメーカーのプレゼンテーションでは、欧州向けに植物由来原料で開発したカレールー(注)やビ―ガン対応ルーなどの説明があった。

その後、BRICKNY EUROPEの久野裕之総料理長や、SABIGARIの三本松正孝シェフ、パリのレストランKozoの牧田幸三シェフを講師に迎え、欧州対応ルーを使った調理デモンストレーションが行われた。

写真 カレーメーカーのプレゼンテーション(JRO提供)

カレーメーカーのプレゼンテーション(JRO提供)

デュッセルドルフでは多くの日本食レストランが軒を連ね、ドイツ人の幅広い世代に日本食が浸透し、人気店では毎日のように地元の人々の長い列ができている。このような土地柄ならではの、(1)キャベツと豚の梅酒カレーのほか、(2)すし店のシーフードカレー、(3)ハマグリを使ったカレーうどんといった、挑戦的メニューも披露された。

写真 調理のデモンストレーション(JRO提供)

調理のデモンストレーション(JRO提供)

試食した参加者から「梅酒が主役のカレーというアイディアに驚いた。キャベツの甘さとの相性も抜群」「イカ墨とカレールーの組み合わせは洋食のような味わい」「ハマグリのだし汁の効いたカレースープがうどんに良く絡む」などの感想が聞かれた。また、レストランでカレーメニューを出す際のポイントや調味料の調達方法などの質問があった。

JROでは今後、英国エディンバラでも同様のセミナーを実施する予定だ。

(注)EUでは「動物由来加工製品と植物由来製品の両方を含む食品」を「混合食品」として独自の規制を設けており、混合食品を輸出する際には、動物性加工済み原料がEU域内外の認定施設由来であることなどを証明する書類の添付が必要になっている。混合食品規制の詳細はジェトロウェブサイトで確認できる。

(田中俊)

(ドイツ、日本)

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