カレーメニュー開発セミナーをベルリンで開催

(ドイツ)

ベルリン発

2022年10月17日

ドイツのベルリン市で1010日、全日本カレー工業協同組合、特定非営利活動法人 日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)主催で、ジェトロと在ドイツ日本大使館が後援したレストランシェフ、オーナー向けの「カレーメニュー開発セミナー」が開催された。参加者は主にベルリンの日本食レストラン関係者で、アジア料理店のオーナーの参加もあった。

写真 セミナーの様子(© JRO)

セミナーの様子(© JRO)

まず、JROから、「欧州での業務用カレーの拡大の取り組み」について説明が行われた。これまで、海外で日本食といえば「寿司(すし)」か「ラーメン」だったが、日本のソウルフードの代表格となったラーメンに続き、第3の日本食メニューとして、欧州では「日本のカレー」のブームが来ている。特に英国では日本のカレーが「カツカレー」という名称で人気を博し、このブームをぜひドイツやその周辺国でも広めて、業務用を中心としたカレールーの輸出を促進させていきたい、というのが今回のセミナーの狙いだ。今回のセミナーで使用されたカレールーは、動物由来の原材料を使用する食品に対してEUでの規制が強化されたため(注)、植物性原料のみの製品が使用された。この欧州向けに開発されたルーは、肉を使用せずに、野菜や果物をじっくり煮込むことで本来の旨味(うまみ)と甘さを出していることに特徴があるという。

写真 隅田氏によるデモンストレーションの様子(© JRO)

隅田氏によるデモンストレーションの様子(© JRO)

カレーメーカーからのプレゼンテーションの後、ベルリンのCocolo Ramenのシェフの隅田洋介氏と、フランスのパリから招かれたレストランKozoのオーナーシェフ牧田幸三氏によるデモンストレーションが行われた。セミナー参加者は、カレーメニューの調理の手順やポイント、調味料や素材選びなどをすぐ見えるところで体験することができた。普段家庭で作られるシンプルなカレーから、赤ワインや梅酒、味噌(みそ)などを加え、アレンジされた計4種類〔(1)まかないカレー、(2)キャベツと梅酒のカレー、(3)レストランKozoのベジタブルカレー、(4)レトルトカレー〕が紹介された。

写真 牧田氏によるデモンストレーションの様子(© JRO)

牧田氏によるデモンストレーションの様子(© JRO)

試食提供されたどのカレーに対しても参加者の評価は高かったが、中には「普段家庭で食べているようなシンプルなカレーが一番おいしかった」という声もあった。

JROでは今後、デュッセルドルフやフランスのストラスブール、ニースなどでも同様にセミナーを開催する予定だ。

(注)EUでは、「動物由来加工製品と植物由来製品の両方を含む食品」を「混合食品」として独自の規制を設けており、混合食品を輸出する際には、動物性加工済み原料がEU域内外の認定施設由来であることなどを証明するための書類の添付が必要になっている。混合食品規制の詳細はジェトロウェブサイトで確認できる。

(小菅宏幸、小飼志保)

(ドイツ)

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