米デンバリーとウェアーハウザー、ミシシッピ州のCCS事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2022年12月14日

二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)や回収・有効利用・貯留(CCUS)事業を手掛ける米国のデンバリー(本社:テキサス州プレイノ)は12月12日、米国林業大手ウェアーハウザー(本社:ワシントン州シアトル)と、CCS事業の実現に向け、ミシシッピ州のCO2貯留サイトの評価および開発で合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

本合意により、デンバリーは、ミシシッピ州南部寄りのシンプソン郡およびその東に隣接するコピア郡にウェアーハウザーが所有する、約1万6,000エーカー(約65平方キロ)の土地区画の地下部分を独占的に開発・操業する権利を有する。デンバリーは、この用地を利用して、産業用CO2を恒久的かつ安全に地下貯留する計画だ。ウェアーハウザーは、今後も持続可能な作業林としてこの土地を管理するという。

デンバリーは、同用地のCO2貯留量を約2億7,500万トンと見込んでいる。同地は、デンバリーにとってミシシッピ州初のCO2貯留予定地であり、アラバマ州、ルイジアナ州、テキサス州からなる米国メキシコ湾岸地域を含め同社の貯留ポートフォリオが拡大するとしている。

デンバリーのCCUS担当シニアバイスプレジデントであるニック・ウッド氏は「ウェアーハウザーとの合意は、メキシコ湾岸におけるCO2輸送・貯留ネットワークの構築において重要なステップだ。ミシシッピ州のこの用地は、当社の既存のパイプラインネットワークに隣接しているため、非常に効率的な開発が可能で、当社の事業全体の柔軟性と能力を高めることができる」と述べた。

デンバリーはCCS事業を積極的に展開しており、2022年7月にルイジアナ州の土地所有者と、CCSサイトとして約1万8,000エーカーの土地のリース契約締結を発表した(2022年7月26日記事参照)。10月には、米国レイクチャールズ・メタノールのルイジアナ州内に建設を予定するブルーメタノール製造施設に対して、CCSサービスを20年間提供する契約を締結したほか(2022年10月31日記事参照)、米国のクリーン・ハイドロジェン・ワークス(CHW)と、CHWが建設予定の水素・アンモニア製造施設から回収したCO2を輸送・貯留することで合意している(2022年11月2日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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