米デンバリー、ルイジアナ州でCO2貯留用地を追加取得、貯留量8,000万トン以上拡大へ

(米国)

ヒューストン発

2022年07月26日

二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)やEOR(注1)事業を手掛ける米国デンバリー(本社:テキサス州プレイノ)は721日、米国ルイジアナ州ドナルドソンビル近郊の土地所有者と、CO2貯留に向けて約1万8,000エーカー(約73平方キロ)の土地(サイト)のリース契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同サイトは、デンバリーの既存のCO2輸送パイプラインから5マイル(約8キロ)圏内に位置し、米国で産業部門からのCO2排出が最も集中する地域の1つのルイジアナ産業回廊の近接地にある。同社は同サイトから30マイル(約48キロ)圏内で年間5,000万トン以上のCO2が排出されていると推定している。

同社発表によると、同サイトはCO2貯留に優れた地質特性を有しており、高いCO2圧入率と8,000万トン以上のCO2貯留量が期待されるとしている。サイトでの最初のCO2圧入は2025年ごろを予定している。今回のリース契約でのサイトの追加により、ルイジアナ州ドナルドソンビル近郊のCO2貯留量は約3億トンとなり、デンバリーのCO2貯留量は米国アラバマ州、ルイジアナ州、テキサス州のメキシコ湾岸地域を含め約15億トンに拡大するとされている。

デンバリーのカーボンソリューションズ担当シニアバイスプレジデントのニック・ウッド氏は「産業部門のパートナーから排出されるCO2を高い信頼性で輸送し、安全に地下圧入する当社の実績は業界で比類がなく、CCUS(注2)の継続的な成長にとって有利な位置にある」と述べている。

なお、デンバリーは、2021921日に三菱商事とメキシコ湾岸でのCO2輸送と貯留のプロジェクトに関し主要条件で合意したことを発表した(2021年9月28日記事参照)。また、20211026日には三井物産と、産業部門から排出されるCO2を有効利用する「カーボンネガティブ・オイル(Carbon-Negative Oil)」事業に向け、共同作業を開始したことを発表した(2021年11月5日記事参照)。

(注1Enhanced Oil RecoveryCO2などを油層内に圧入し、石油を生産井へ押し出すことで石油回収率を高める技術のこと。

(注2Carbon dioxide Capture, Utilization and StorageCO2回収・有効利用・貯留)。CCSで回収したCO2EORなど有効活用(Utilization)する技術や取り組みを指す。

(沖本憲司)

(米国)

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