米デンバリーとレイクチャールズ・メタノール、ブルーメタノール製造施設のCCS事業で合意発表

(米国)

ヒューストン発

2022年10月31日

二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)や回収・有効利用・貯留(CCUS)事業を手掛ける米国のデンバリーは10月27日、ブルーメタノール(注1)製造を手掛ける米国レイクチャールズ・メタノール(LCM)に対してCCSサービスを20年間提供する契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

デンバリーがCCSサービスを提供するLCMのブルーメタノール製造施設は、ルイジアナ州レイクチャールズ近郊の、デンバリーの既存のパイプラインから約10マイル(約16キロ)の場所に建設が予定され、2027年に製造を開始する予定だ。この施設は、固体酸化物形電解セル(SOEC、注2)メーカーであるデンマークのトプソーの水素製造技術を利用して、天然ガスから水素を製造し、またメタノールを製造するよう設計され、製造過程で発生するCO2について、デンバリーのCCS機能を組み込むとしている。同施設では、年間5億キログラム以上の水素と年間360万トンのブルーメタノールを製造し、同時に年間約100万トンのCO2を回収すると想定されており、年間20万台の自動車から排出されるCO2に相当する量だとしている。

デンバリー子会社のデンバリー・カーボン・ソリューションズのシニアバイスプレジデント兼代表のニック・ウッド氏は「LCMのCO2輸送・貯留計画への貢献に加え、当社のパイプラインネットワークがレイクチャールズ地域に拡大することで、当社は同地域の他の産業部門の顧客の脱炭素化を支援することが可能となる。われわれは、低炭素プロジェクトでLCMと協業し、CO2排出量を削減し、当社の株主に付加価値を生み出すことを楽しみにしている」と述べている。

デンバリーは米国で脱炭素化の取り組みを進めており、2022年7月にルイジアナ州の土地所有者と、CO2貯留に向けて約1万8,000エーカー(約73平方キロ)の土地のリース契約締結を発表した(2022年7月26日記事参照)。

(注1)天然ガスから製造されるメタノールで、製造過程で発生するCO2を分離・除去し、CCS・CCUSなどにより大気中に排出しないようにされたものを指す。

(注2)SOECは、水蒸気の電気分解によって水素を製造する装置。

(沖本憲司)

(米国)

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