11月の主な動きは、米中首脳会談をはじめとする外交の展開、ジェトロ月例レポート(2022年11月)

(米国、中国)

米州課

2022年12月21日

ジェトロは12月21日、米国の対中国関連政策についてまとめた11月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。

11月に起きた注目すべき動きには、14日にバイデン政権の発足後初めて対面形式で開かれた米中首脳会談が挙げられる。ホワイトハウスが公開した会談要旨によると、ジョー・バイデン大統領は習近平国家主席に対し、競争は継続するが衝突に発展してはならないとし、開放された対話のラインを維持することの重要性を伝えたという(2022年11月15日記事参照)。一方で、両首脳は、気候変動や国際的なマクロ経済の安定、健康安全保障、食料安全保障など国境を越える課題での協力の継続で合意したもようだ。このほか、18日に米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表が王文濤商務部長(商務相)と、22日にはロイド・オースティン国防長官が魏鳳和国防部長とそれぞれ会談し(2022年11月21日記事2022年11月25日記事参照)、閣僚レベルのやり取りも相次いだ。

また、米国・ASEAN首脳会議やG20サミット、APEC首脳会議などの国際会議が相次いで開催された。月例レポートでは、東南アジア地域での影響力を維持するために、米国が国際的なルールに基づき、自由で開かれたインド太平洋地域を推進するという視点に立ちながら、積極的な外交を進めた様子を時系列で整理している。12日に開催された米国・ASEAN首脳会議では「ASEAN・米国包括的戦略パートナーシップ」の立ち上げが発表された(11月14日記事参照)。同パートナーシップは、これまで両者が結んでいた「戦略的パートナーシップ」を格上げしたもので、バイデン大統領は「われわれは気候変動から健康安全保障に至るまで、われわれの時代の最大の問題に取り組み、ルールに基づく秩序や法の支配に対する重大な脅威から守り、自由で開かれ、安定し繁栄した、弾力的で安全なインド太平洋を構築していく」と述べ、同地域の今後の協力を強調した。

行政府レベルでは、連邦通信委員会(FCC)が25日に発表した、中国の通信機器5社からの輸入・認証を禁止する行政命令に注目が集まる(2022年11月28日記事参照)。このほか、中国を念頭に実施された11月の動きをレポート内でまとめている。

米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する同レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。

(滝本慎一郎)

(米国、中国)

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