オースティン米国防長官、魏中国国防相と会談、中国の軍事活動に懸念を表明

(米国、中国、カンボジア、ロシア、ウクライナ、北朝鮮、台湾)

米州課

2022年11月25日

米国のロイド・オースティン国防長官は11月22日、拡大ASEAN国防相会議出席のため訪問したカンボジアで中国の魏鳳和・国務委員兼国防相と会談した。オースティン国防長官が魏国防相と会談するのは、2022年6月10日のシンガポールでの会談以来となる(2022年6月14日記事参照)。

米国防総省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両国防相は、米中防衛関係や地域・世界の安全保障問題について協議した。オースティン国防長官は、責任を持って競争を管理し、オープンなコミュニケーションラインを維持する必要性を強調したとしている。ただし、「競争」が両国関係の特徴であることには変わりはないとして、オースティン国防長官は、インド太平洋地域での中国軍機による危険な行為がますます増えており、事故の危険性が高まっていることに懸念を表明した。オースティン国防長官はまた、米国は国際法が許す限り、飛行、航行、作戦行動を継続することを明言した。

ロシアによるウクライナ侵攻について、両国防相は核兵器の使用や威嚇に強く反対することを確認した。また、北朝鮮について、オースティン国防長官はミサイル発射を繰り返す北朝鮮の挑発行為に懸念を表明し、中国に対し、違法な兵器プログラムに関する既存の国連安保理決議を完全に履行するよう求めた。

台湾について、オースティン国防長官は、台湾関係法、3つの米中共同声明、6つの保証を指針とする従来の「一つの中国」政策に変わりがないことをあらためて表明するとともに、台湾海峡両岸の平和と安定の重要性を再確認し、中国が台湾に対して情勢を不安定化させる行動を取らないよう求めた。

(中溝丘)

(米国、中国、カンボジア、ロシア、ウクライナ、北朝鮮、台湾)

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