米ベーカー・ヒューズ、廃坑の地熱利用に向けた技術コンソーシアム設立

(米国)

ヒューストン発

2022年12月12日

米国石油サービス大手ベーカー・ヒューズ(本社:テキサス州ヒューストン)は12月8日、地熱や石油・ガスの廃坑を地熱エネルギー生産に転換する技術コンソーシアム「ウェルズ・トゥー・ワッツ(Wells2Watts)」を設立したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

コンソーシアム名称の「Well」は坑井、「Watt」は電力量の単位を示す英単語で、「2」は読みが前置詞の「to」に通じる。ウェルズ・トゥー・ワッツでは、その名称のとおり、地熱や石油・ガスの廃坑を再生可能エネルギー由来の電力生成が可能な地熱井に転換することを目指す。また、産業界のパートナーとともに技術開発を加速させ、地熱をベースロード・エネルギー供給源として商業化することも目指すとしている。ベーカー・ヒューズは40年以上にわたって地熱エネルギー開発に取り組んでおり、25カ国以上で信頼性の高い熱と電力を生産している。ウェルズ・トゥー・ワッツは北米とアジア太平洋地域内のプロジェクトから取り組みを開始する予定だ。

ベーカー・ヒューズの油田サービス・機器担当副社長のマリア・クラウディア・ボラス氏は「このユニークな地熱コンソーシアムは、従来の石油・ガスの顧客に低炭素・地熱ソリューションの新たな機会を提供することにより、新たなフロンティアを開拓するという当社の戦略的コミットメントを支持するものだ。さらに、これは米国や米国以外にも、再生可能エネルギーをもたらすための長期的かつ持続可能な成長に対する、当社の規律あるアプローチを強調するものだ」と述べた。

ベーカー・ヒューズは脱炭素化に向けて取り組みを進めており、2022年4月に次世代二酸化炭素(CO2)回収技術を促進するため、モザイク・マテリアルズを買収した(2022年4月22日記事参照)。11月にはフランスのエンジニアリング大手テクニップ・エナジーと、年間100万~200万トン規模のモジュール式液化天然ガス(LNG)の陸上生産設備の共同開発に向けた覚書を締結した(2022年11月24日記事参照)。また、12月にはオーストラリアのエネルギー大手ウッドサイド・エナジーと、脱炭素化に資するウッドサイドの気候変動戦略支援に向けた潜在的な事業を検討する覚書を締結した(2022年12月12日記事参照)と発表した。

(沖本憲司)

(米国)

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