COP27首脳級会合が終了、気候変動適応に向け行動計画を立ち上げ
(エジプト、世界)
カイロ発
2022年11月15日
エジプトで11月6日から開催されている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、7日から8日にかけて首脳級会合が行われ(2022年11月7日記事参照)、9日に議長国エジプトの特別代表を務めるワエル・アブールマグド氏が2日間の成果を報告した。
報告によると、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領とドイツのオラフ・ショルツ首相が共同議長を務めた「エネルギーの未来への投資:グリーン水素」のラウンドテーブルで、エルシーシ大統領はベルギーと共同で「世界再生可能水素フォーラム(Global Renewable Hydrogen Forum)」を立ち上げると発表した。水素の製造と利用を促進し、水素が国際経済にもたらす環境・社会経済的利益を引き出すための官民プラットフォームと説明した。
また、アブールマグド氏は、気候変動による「損失と損害(Loss and Damage)に対する補償」が初めてCOPの正式な議題として挙げられた重要性を強調した。関連する「気候変動と脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーの持続可能性」のラウンドテーブルでは、気候変動の影響を特に受けやすいコミュニティーを支援することについて、100カ国以上の首脳が約束したと述べた。また、既に途上国への具体的な支援を表明したドイツ(2022年11月9日記事参照)や英国(2022年11月9日記事参照)などへの謝意を表明した。
さらに、8日までの会議の成果として、「シャルム・エル・シェイク適応行動計画(Sharm El-Sheikh Adaptation Agenda)」の立ち上げが挙げられた。同計画では、気候変動に脆弱(ぜいじゃく)な人々を支援するため、2030年までに達成すべき30の成果目標を定めている(添付資料表参照)。官民で1,400億~3,000億ドルを動員することや、世界の大企業2,000社に対して実行可能な適応計画を策定するよう促すなどの内容を盛り込んでいる。COP27議長を務めるエジプトのサーメハ・シュクリ外相は発足式で、全ての国家がこの計画に賛同するよう呼び掛けるとともに、次回COP28で進捗を報告すると表明した。
(塩川裕子)
(エジプト、世界)
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