BMW、ライプチヒ工場の電動車用部品の生産ライン増設

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年11月01日

ドイツ自動車大手のBMWグループは10月20日、ドイツ東部ザクセン州のライプチヒ工場に、電動車用部品の生産ラインを増設すると発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

それによると、同工場で稼働している2つの蓄電池モジュール生産ライン(2022年8月16日記事参照)に加え、3番目の生産ラインを2023年夏に増設する。また、蓄電池セルのコーティングのラインを5つ新設する。1番目のラインは2023年第1四半期(1~3月)までに稼働し、残りも段階的に2023年中に稼働する見込み。さらに2024年には、2つの高圧バッテリー組み立てラインが稼働する。生産した蓄電池は、同工場で生産予定の電気自動車(EV)「MINI Countryman」などに組み込む。BMWは蓄電池セル自体は他社から調達する(2022年9月22日記事参照)。

同工場で2013年から生産してきたEV「i3」、プラグインハイブリッド車(PHEV)「i8」の生産が2022年夏に終了しており、そのスペースと従業員を今後、電動車用部品の生産に活用する。同工場の従業員約5,300人のうち、既に700人以上が蓄電池部品の生産関連に従事しており、2024年までには1,000人以上となる見込みだ。BMWはライプチヒ工場の電動車用部品生産に対し、2020~2024年に8億ユーロ以上を投資する。さらに、2022年末までにディンゴルフィング工場(ミュンヘンの北東約100キロ)に10億ユーロ以上、レーゲンスブルク工場(ミュンヘンの北約120キロ)に2億5,000万ユーロ以上の投資を完了するとしている。

BMWは電動車用部品の生産を国内外に拡大する。高圧バッテリーと蓄電池部品は、ライプチヒ工場のほか、米国のスパータンバーグ工場近郊(2022年10月20日記事参照)、中国の瀋陽工場などが生産を担う。また、オーストリアのシュタイヤー工場では、2025年から電動車用の次世代駆動モーターシステムを製造する(2022年6月29日記事参照)。ドイツ国内では電気モーターをディンゴルフィング工場のほか、ランツフート工場(ミュンヘンの北東約70キロ)で生産する。

BMWは2025年までに新車販売台数の3割以上を電動車、2030年までに5割以上をバッテリー式電気自動車(BEV)とする目標を掲げている。2021年の販売はBEVが10万3,854台、PHEVが22万4,460台で、全体に占める電動車の割合は13.0%、うちBEVが4.1%となっており(2022年8月16日記事参照)、今後も蓄電池を含む電動車用部品への需要は高まる見込みだ。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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