BMWが次世代蓄電池戦略を発表、中国バッテリー大手から調達へ

(ドイツ、中国)

ミュンヘン発

2022年09月22日

ドイツ自動車大手BMWグループは9月9日、世代自動車に搭載する蓄電池に関する戦略を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2025年に販売予定の「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」と呼ばれる新しいコンセプトのバッテリー式電気自動車(BEV)とともに、第6世代として円筒形リチウムイオン電池を導入する。

6世代蓄電池は、正極材のニッケルの割合を増やしてコバルトの割合を減らし、一方で、負極材のケイ素の比率を上げる。これにより、第5世代の角形リチウムイオン電池に比べて、セルの体積エネルギー密度を2割以上高め、充電速度と航続距離もそれぞれ最大3割向上させることができる。蓄電池の製造コストも第5世代と比べて最大5割削減できる計算だ。第6世代蓄電池を搭載することで、BMWBEVの製造コストを最新の内燃機関搭載車と同じ水準にまで下げることを目指す。

BMWは原則として他企業からリチウムイオン電池を調達する。具体的には、「ノイエ・クラッセ」コンセプトのBEV用に、中国の寧徳時代新能源科技(CATL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます恵州億緯鋰能(EVEエナジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと数百億ユーロ規模の蓄電池生産契約を締結済み。契約に基づき、両社は年間最大20ギガワット時(GWh)規模の蓄電池工場を中国と欧州にそれぞれ2カ所ずつ用意する。BMWは米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)域内にさらに2工場を予定している。生産協力先は今後決定する。

BMWは蓄電池を納める企業に対し、蓄電池材料のコバルト、リチウム、ニッケルについて、リサイクルしたものを一部活用して製造することを求める。また、セルの製造過程では再生可能エネルギーのみを使用することを義務化する。BMWグループとして、蓄電池セル生産での二酸化炭素排出量を現行の第5世代に比して最大6割削減する。

BMWは将来的な技術として、第6世代蓄電池に正極材としてコバルトやニッケルが不要になるリン酸鉄リチウム(LFP)の活用を検討するほか、全固体電池の研究開発も進める。全固体電池については、2030年までの大量生産を目指し、2025年までには全固体電池を搭載した試作車を公表予定だ(2021年4月26日記事参照)。

BMWは蓄電池セル自体は他社から調達するものの、自社での研究開発も進める。具体的には、ミュンヘン工場の近くに「蓄電池セルコンピテンスセンター」を有し、蓄電池セル自体の研究を行っているほか、ミュンヘン近郊に建設中の「蓄電池セル製造コンピテンスセンター」が2022年末までに完成、次世代高性能蓄電池セルの生産プロセスを研究する予定だ(2022年6月1日記事参照)。

(高塚一)

(ドイツ、中国)

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