10月の自動車市場、新エネルギー車は引き続き堅調に推移

(中国)

上海発

2022年11月16日

中国自動車工業協会(CAAM)が11月10日に発表した10月の自動車販売台数は前年同月比6.9%増の250万5,000台、生産台数は同11.1%増の259万9,000台で、前月比ではそれぞれ4%減、2.7%減となった。

販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比10.7%増の223万1,000台、商用車が同16.2%減の27万3,000台だった。うち、新エネルギー車は同81.7%増の71万4,000台で、販売台数の市場占有率は先月の27.1%から28.5%に拡大した。また、輸出は同46%増の33万7,000台だった。

1~10月の自動車販売台数は前年同期比4.6%増の2,197万5,000台、生産台数は同7.9%増の2,224万2,000台だった。1~9月よりそれぞれ0.3ポイントと0.5ポイント増加した。部門別の販売台数をみると、乗用車は同13.7%増の1,921万8,000台、商用車は同32.8%減の275万7,000台、新エネルギー車は同2.1倍の528万台で、販売台数の市場で24%を占めた。輸出は同54.1%増の245万6,000台だった。

1~9月の中国の自動車輸出量上位10カ国は、1~8月(2022年10月18日記事参照)と同様、メキシコとタイの増加率は依然として高く、それぞれ前年同期比3.1倍と2.5倍だった。新エネルギー車の輸出も先月と同様にベルギー、英国、タイが上位3カ国だった。

2023年の自動車市場について、CAAMは「乗用車の車両取得税優遇政策(2022年6月6日記事参照)が来年(2023年)に継続されるかは不明で、新エネルギー車の購入補助金は2022年末で終了する見込み」と述べた。また「バッテリーの原材料価格が大幅に上昇したため、市場予測の不確実性が高まり、企業は来年の生産経営計画の制定が困難な状況にある」と指摘した。

また、乗用車市場信息聯席会(CPCA)は「新エネルギー車の需要拡大により、乗用車における新エネルギー車の市場占有率は28%に達し、燃料消費量の多いタクシーとネット配車専用車両などの電動化が進んだため、乗用車は既にカーボンピークアウトを実現したと判断できる」と説明した。2022年の新エネルギー車の販売台数は、従来予想の600万台(2022年8月16日記事参照)から上方修正し650万台前後とし、2023年は840万台を突破すると予測した。

(宋青青)

(中国)

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