米NASA観測衛星、世界50以上の地域でメタン大量排出源を特定

(米国)

ヒューストン発

2022年10月31日

米国航空宇宙局(NASA)は10月25日、同局が7月に打ち上げた観測衛星による地球表面鉱物塵源調査(EMIT)ミッション(注1)により、中央アジア、中東、米国南西部などの地域で、50以上のメタンガス(注2)の「大量発生源(注3)」を特定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

大量発生源の1つとして特定された米国南西部のパーミアン盆地では、南東約2マイル(3.3キロ)の長さにわたりメタンガスが検出され、1時間当たりの流量は、約4万300ポンド(約1万8,300キログラム)と推定されている。パーミアン盆地は、テキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる地域で、国内有数の石油・ガスの生産地として知られている。

NASAのビル・ネルソン長官は「メタンガスの排出を抑制することは、地球温暖化を抑制するための重要な課題」と述べた上で、「国際宇宙ステーションとNASAが保有する20以上の衛星や観測機器は、地球の気候変動を把握する上で長い間非常に重要な役割を担ってきた。EMITは、温室効果ガス(GHG)を測定し、発生源で食い止めるための重要なツールであることが証明されている」と述べた。

なお、メタンガスの排出源を特定しようとする試みでは、非営利団体のカーボン・マッパーが8月に、米国メキシコ湾浅海域の海洋石油・ガス施設からメタンが大量に漏出しているとの調査結果を発表していた(2022年8月17日記事参照)。

(注1)2022年7月14日に打ち上げられた衛星を用いて、大気や地表の温度に影響を与える塵(ちり)について観測するミッション。塵の元となる物質の種類によって、環境に与える影響は異なるとされ、メタンなど構成物質ごとに発生源をマッピングすることを目的としている。

(注2)メタンガスはGHGの1つで、米国のGHGに占めるメタンガスの割合は約10%にとどまるものの、二酸化炭素(CO2)の約25倍の温室効果があるとされており、温暖化効果は相対的に大きいとされる(2022年4月11日記事参照)。

(注3)化石燃料、廃棄物、農業などで、メタンガスを大量に排出する施設や設備、その他インフラを指す。

(沖本憲司)

(米国)

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