第2四半期のGDP成長率は前期比1.7%にプラス転化

(ニュージーランド)

シドニー発

2022年10月06日

ニュージーランド統計局は9月15日、2022年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比1.7%(季節調整値)だったと発表した。前期のマイナス0.2%からプラスに転化した。前年同期比では0.4%だった。

産業別にみると、輸送・倉庫業(前期比19.7%増)、芸術・余暇その他(9.0%増)、小売・宿泊業(5.9%増)が大きく伸びた(添付資料表参照)。一方、鉱業(7.9%減)、製造業(5.9%減)、建設業(2.4%減)などでは減少した。

ニュージーランドでは、2022年第2四半期に、新型コロナウイルス感染症対策のための入国規制が、段階的に緩和された。まず、4月13日からオーストラリア国民や永住者が入国可能となり、5月2日からは日本を含むビザ免除国からのワクチン接種を完了した渡航者なども入国可能となった(2022年5月12日記事参照)。ニュージーランド国内の感染対策規制に関しては、新型コロナウイルス対策の「信号システム」(注)の設定が、4月14日に3段階のうち1番厳しいステージの赤から2番目のオレンジに変更され、人が集まる場所での人数・距離制限が解除された。水際規制や国内感染対策の緩和により、特に個人や海外からの渡航者による輸送、宿泊、外食やスポーツなど余暇活動への消費が増加した。ニュージーランド統計局は、同国経済の約3分の2を占めるサービス産業(第三次産業)が前期比で2.7%増加したことが、当期の成長の主要因となったと分析した。

グラント・ロバートソン財務相は「新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年第4四半期(9~12月)時点と比較して、ニュージーランド経済は約5%拡大した。GDPの伸び率でみた場合、オーストラリアの数値とほぼ同等で、なおかつ米国、EU、英国、カナダの数値を上回っている」と説明した。

(注)「COVID19プロテクション・フレームワーク」に基づき、各地域のワクチン接種状況や感染状況に応じて、緑、オレンジ、赤の3段階からなる信号システムを導入していた(2021年10月25日記事参照)。同国内の新規感染件数減少に伴い、2022年9月13日からは同フレームワークは廃止され、より緩和された新たな感染対策が導入外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされている。

(青島春枝)

(ニュージーランド)

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