米GDP成長率、第3四半期は前期比2.6%、3期ぶりプラスも個人消費や輸入の伸び鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2022年10月28日

米国商務省が10月27日に発表した2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前期比年率2.6%となった(添付資料図参照)。市場予想の2.3%を上回り、2四半期続いたマイナス成長を脱し、3四半期ぶりのプラス成長となった。

需要項目別にみると、(1)内需では、個人消費が前期比1.4%増、寄与度1.0ポイントと、後述の輸出と輸入に次いで押し上げに寄与したが、伸びは前期の2.0%から減速した。特に、財は前期比1.2%減と3四半期連続のマイナスを記録した。サービスも前期比2.8%増であるものの、伸びは前期の4.6%から減速した。(2)設備投資については前期比3.7%増で、特に機器類への投資が10.8%増と大きく伸びた。一方で、連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めの影響から、構築物への投資については15.3%減と6四半期連続のマイナスとなった。また、住宅投資も26.4%減と同じく6四半期連続のマイナスかつ2四半期連続で2桁の減少率となり、個別項目で最も成長を押し下げた(寄与度マイナス1.4%ポイント)。次に押し下げに寄与したのは在庫投資で寄与度マイナス0.7ポイントだった。前期のマイナス1.9%ポイントからは改善したが、企業の在庫調整が続いている。(3)外需では、輸出が前期比14.4%増、寄与度1.6%ポイントと今回の成長を最も押し上げた。一方、輸入は前期比6.9%減だったが、控除項目のため寄与度ではプラス1.1ポイントと輸出の次に成長を押し上げた(添付資料表参照)。

3四半期ぶりのプラス成長となった第3四半期の米国経済だが、その中身は、GDP総額の約7割を占める個人消費の伸びが減速し、供給網の逼迫改善にもかかわらず(2022年10月7日記事参照)、内需の強さを示す輸入が減少するなど、明るいとはいえない内容だった。企業の在庫調整も続いており、2022年の年末商戦は前年からの減速が見込まれていることや、アマゾンやターゲットなど小売り大手がセールの前倒しを行っていることなどを踏まえると、第4四半期に企業が在庫を大きく積み増すことは期待しにくい状況だ。今回の成長を牽引した輸出についても、10月に発表されたIMFの経済見通しでは、2023年の世界成長率は2.7%と前回7月の予測時より0.2ポイント下方修正されるなど先行きは明るくなく(2022年10月12日記事参照)、現在の輸出の好調さをどこまで維持できるかは不透明な部分がある。11月1~2日にはFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、4会合連続となる0.75ポイントの政策金利引き上げが行われる見通しだが、投資はもちろん、国内消費がどこまで急激な金融引き締めに耐えられるかが注目される。

(宮野慶太)

(米国)

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