供給網逼迫状況の指標GSCPI、9月は1.05で新型コロナ前の水準以下まで改善

(米国)

ニューヨーク発

2022年10月07日

米国ニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は10月6日、グローバル・サプライチェーン圧力指数(GSCPI)を更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、9月は1.05と5カ月連続の改善となった(添付資料図参照)。

GSCPIは、米国内や国際的なサプライチェーンにどれだけ圧力や混乱が生じているかを表す指標で、NY連銀が開発した。輸送コストを追跡するバルチック海運指数や、各国の製造業購買担当者景気指数(PMI)など27の変数を基に算出する。データ期間の平均をゼロとし、値が大きいほどサプライチェーンが逼迫している状況を表す。2022年1月に公表が始まり、毎月4営業日目に更新される。

NY連銀によると、今回の改善は広範囲の分野に及んでいるが、特にコンテナ船のチャーター運賃下落が最も大きく改善に寄与した。米国では西海岸の混雑緩和に代わって、東海岸が混雑し始めていることや、鉄道網への負担が大きくなっているなどの局所的な動きはあるものの(2022年9月13日記事参照)、9月のGSCPIはピークの2021年12月の4.30と比べて約4分の1、新型コロナウイルス感染拡大が本格化する前の2020年2月の1.10の水準以下にまで低下している。高インフレなどによる世界的な景気後退への懸念から、需要は減退し始めており、この点からは今後、物流などへの逼迫は改善が見込まれる。

ただし、今後の動向については不透明さも依然として残る。ウクライナ情勢は収束する気配を見せず、エネルギー供給もいまだに不安定な中で、欧州を中心に冬季の暖房などによるエネルギー需要が今後高まれば、エネルギーコスト高となり、再び物流を逼迫させる恐れがある。また、10月5日にOPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成するOPECプラスは閣僚級会合を開き、景気後退に伴う需要減退により原油価格が低下していることを理由として、11月から原油を日量200万バレル減産することで合意した(2022年10月6日記事参照)。日量200万バレルは世界全体の供給の2%に相当するとされる(ロイター10月5日)。今回のGSCPIで最も改善したとされるコンテナ船の運賃も、原油などエネルギーコストの上昇が今後起これば、再び上昇する可能性もあり、世界的なサプライチェーンの状況に引き続き注視が必要だ。

(宮野慶太)

(米国)

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