人権デューディリジェンス、「実施している」は35%、ジェトロ調査

(世界、日本)

国際経済課

2022年10月25日

ジェトロは、日本企業の人権デューディリジェンスの実施状況について、オンラインでアンケートを実施した(アンケート実施期間は101317日)。同アンケートは、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に沿った実務の進め方を紹介するウェビナー(2022年10月14日記事参照)へ参加した日本企業などを対象とした。

同結果によると、人権デューディリジェンスについて、「実施している」との回答が35.3%と、全体の3分の1以上を占めた(有効回答は391件)(添付資料図参照)。また、「1年以内に実施予定(12.0%)および「数年以内の実施を検討中」(36.3%)の回答割合の合計が約半数を占めた。現時点で、人権デューディリジェンスを実施している企業、ならびに今後の実施を予定・検討中と回答した企業の割合が83.6%に達する半面、「実施する予定はない」企業は16.4%にとどまった。

人権デューディリジェンスを実施(予定・検討中を含む)している企業に、人権デューディリジェンスを実施したきっかけ・理由を尋ねたところ、第1位の「ESG対応の一環だから」(38.2%)が4割近かったほか、「SDGs対応の一環だから」(33.6%)、「顧客からの要請へ応じるため」(32.4%)などが続いた。また、913日に策定された「日本政府の人権尊重ガイドライン策定を受けて」と回答した企業(22.0%)も2割を超えた(2022年9月16日記事参照)。

人権を尊重するサプライチェーンを構築する上での課題としては、「サプライチェーン構造が複雑で、範囲の特定が難しい」(41.2%)、「十分な人員・予算を確保できない(34.8%)、「一社だけでは解決できない複雑な問題がある」(34.8%)が上位に挙がった。

(森詩織)

(世界、日本)

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