マクロ経済金融会議を開催、基準金利引き上げの影響や対応を確認

(韓国)

ソウル発

2022年10月14日

韓国企画財政部は10月13日、「マクロ経済金融会議」を開催し、韓国の基準金利引き上げ(2022年10月13日記事参照)や米国の消費者物価指数の発表、さらに、11月の連邦準備制度理事会(FRB)連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利決定の見通しなど、依然としてマクロ経済の不確実性が存在していることを受け、政府の対応を以下のとおり確認した。

まず、株式市場の安定化のため、証券市場安定ファンドの買い入れ約定契約を進め、適切なタイミングで買い入れを実施することを確認した。債券市場の安定化については、9月末に企画財政部による国債の緊急買い入れや韓国銀行による国債の直接買い入れを実施し、社債・コマーシャルペーパー(CP)の買い入れ余力をこれまでの6兆ウォン(約6,000億円、1ウォン=約0.1円)から8兆ウォンまで拡大する。

続いて、外国為替当局と国民年金間の外国為替スワップのための契約など、外国為替需給の安定化対策も滞りなく対応することを確認した(2022年9月28日記事参照)。

韓国の基準金利引き上げに伴う脆弱(ぜいじゃく)な借り主の金利負担の緩和については、(1)小規模・零細事業者、自営業者向けに、最大3年の満期の延長と最大1年の返済猶予、(2)中小企業向けに変動金利から固定金利への転換支援、などの支援措置を確認した。これに加え、家計負債に対する支援として、変動金利から固定金利への転換支援、低利のチョンセ(注)貸し出し限度の拡大、2022年中のチョンセ貸し出し資金の金利の返済凍結などの実施も併せて確認した。

「ソウル新聞」(10月13日)は、11月も基準金利が引き上げられた場合、住宅ローン金利(最も高い利率が適用された場合)が8%まで上昇する可能性があると指摘している。また、韓国銀行の発表を引用し、今回の0.50ポイントの基準金利の引き上げにより、家計と企業の利子負担が12兆2,000億ウォン増加したと報じている。

(注)住宅の賃貸契約時にまとまった保証金を払い、契約期間終了後に保証金が全額返金される韓国独自のシステム。

(当間正明)

(韓国)

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