韓国銀行、基準金利を3.00%に引き上げ

(韓国)

ソウル発

2022年10月13日

韓国銀行(中央銀行)は10月12日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行の2.50%から0.50ポイント引き上げ、3.00%とした(2022年8月26日記事参照)。高い物価上昇率が続く中、通貨ウォン安の影響による物価上昇圧力と外国為替部門のリスクが増加し、政策金利対応を強化する必要があると判断した。韓国銀行は今回の基準金利を引き上げの背景について、以下のとおり説明している。

〇世界経済は高いインフレ率、米国の金融引き締め、ウクライナ情勢の長期化などの影響で、景気の鈍化が続いている。国際金融市場では、ドル高と主要国通貨の下落が続く中、長期金利が大幅に上昇し、株価下落により一部の国では金融不安が表面化している。今後、世界経済と国際金融市場は、国際原材料価格と世界の物価動向、主要国の通貨政策の変化、ドルの動向、地政学リスクなどの影響を受けるとみられる。

〇国内経済は、消費は回復傾向にあるものの、輸出の増加率が鈍化し、経済成長のトレンドも鈍化した。雇用状況は大幅な雇用者数の増加が続き、改善傾向にある。今後、国内経済は、世界景気の鈍化や金利上昇などの影響で、成長トレンドが徐々に弱まると予想される。今後の経済成長率は2022年8月の展望値(2.6%成長)におおむね一致すると予想されるが、2023年は同展望値(2.1%成長)を下回ると予想される。

〇消費者物価は、石油類の価格上昇が鈍化するものの、個人サービスや加工食品価格の上昇幅が拡大し、5%台後半の高い上昇率が続いている。コアインフレ率と期待インフレ率も4%台の高い水準が継続している。今後の消費者物価は、ウォン安の影響などがさらなる物価上昇圧力として作用し、相当の期間、5~6%台の高い上昇率が続くと予想される。2022年と2023年の消費者物価上昇率は、8月の予測値(2022年は5.2%、2023年は3.7%)におおむね一致するが、景気鈍化による物価下落圧力よりも、ウォン安や主要産油国の減産などによる物価上昇圧力の方が大きいと判断される。

(当間正明)

(韓国)

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