IPEF閣僚級会合、中国メディアはインドの貿易分野交渉への参加見送り強調

(中国、米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

北京発

2022年09月20日

9月8~9日に米国ロサンゼルスで開催されたインド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合(2022年9月12日記事参照)に関して、中国当局は9月16日時点で公式な反応を示していないが、中国外交部はこれまでIPEFについて、「米国の戦略地政学の推進に奉仕するもの」として、米国主導の貿易ルールを制定し、産業チェーンを組み替えて地域の国々と中国経済をデカップリングさせようとする企みとの見方を示している。また、王毅国務委員兼外交部長もIPEFには関税引き下げや市場開放がないことなどに言及し、「米国は自分の定めた基準とルールで他国を型にはめ、WTOを基本とする多角的貿易体制とは別のシステムを作り上げようとしている」と批判している(2022年6月1日記事同日別記事参照)。

中国メディアでは、今回の閣僚級会合を受けて、インドがIPEF の4つの柱の1つである貿易分野の交渉参加を見送ったこと(2022年9月15日記事参照)に注目する報道が多く見られる。

「人民日報海外版」(9月17日)は、中国現代国際関係研究院米国研究所の孫立鵬副研究員の見方を紹介している。「インドは自国の発展の権利を理由としてIPEFの貿易分野の交渉からの一時離脱を宣言したが、他の発展途上国も、米国がIPEFを推進しつつも自国の市場を開放する意思を持たず、他国に利益を与えることもないため、このようなやり方は発展途上国に追加の負担をもたらすだけではないかと懸念を抱いている。このため、これらの国々は貿易分野の交渉にはひとまず加わってはいるものの、多くが様子見の態度を取っている」。

また、同紙は、復旦大学米国研究センターの韋宗友教授による分析として、「インド以外の参加国と米国の間にも少なからず相違がある。今回の閣僚級会合で発表された声明には、信頼性のある自由なデータ流通の促進や包摂的なデジタル貿易の推進が盛り込まれているが、データの越境移転でベトナムなど一部のASEAN諸国の法律や規制は米国のものと明確な相違があり、利害が異なる。また、ASEANやフィジーはIPEFを通じて米国が自国のインフラ建設やクリーンエネルギー技術の発展を支援してくれることを望んではいるが、米国がアジア太平洋で中国とゼロサムゲームを行うことは望んでいない」との見解も紹介している。

(小宮昇平)

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