矢崎総業の合弁会社が第2工場新設、ラマポーザ大統領も開所式に出席

(南アフリカ共和国、日本)

ヨハネスブルク発

2022年09月30日

南アフリカ共和国クワズル・ナタール州で9月13日、ヘストハーネスの第2工場の開所式が開催された。南アのシリル・ラマポーザ大統領とエブラヒム・パテル貿易産業競争相も参加した。

ヘストハーネスは、南ア企業のメットエアー・インベストメントと矢崎総業との合弁会社で、自動車用のハーネスを製造している。矢崎総業は1994年にヘストに技術提供を開始し、2005年にはメットエアーと合弁契約を締結。25.1%を出資している。新たに開所した第2工場は3万5,000平方メートルで、南ア国内で組み立てを行うフォードやいすゞ向けのハーネスを製造する予定だ。同製品を作る工場としてはアフリカ最大の生産規模となる。

南アでは2021年7月に新自動車産業政策が開始された(2021年9月1日付地域・分析レポート参照)。政府は2035年までに自動車製造の現地調達率を60%に引き上げることを目標に掲げる。ラマポーザ大統領は同政策に言及し、今後、国内製造拠点が新エネルギー車などの製造に移行する中、引き続き現地化を推進していきたいとした。

今回の追加投資額は8億ランド(約64億2,400万円、1ランド=約8.03円)で、4,000人の新規雇用が創出されることとなった。女性従業員は全体の80%に上る。2年前までは全体で2,000人規模の従業員だったが、現在は2つの工場で6,000人弱の雇用を創出している。

ヘストハーネス開所式後、ラマポーザ大統領一行は木材パルプや紙を製造する南ア大手企業サッピのサイコー工場拡張の除幕式にも参加。この追加投資は、2018年に開催された南アフリカ投資会議(2022年4月4日記事参照)で投資予定案件として発表されており、2020年に新型コロナウイルスの影響で工事が一時中断していた。サイコー工場はクワズル・ナタール州の各社製造拠点の中でも規模が大きく、追加投資額は77億ランドだった。

写真 ヘストハーネス第2工場(ヘストハーネス提供)

ヘストハーネス第2工場(ヘストハーネス提供)

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、日本)

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