カナダ政府、対ロ追加制裁や制裁違反貨物の押収を発表

(カナダ、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)

トロント発

2022年08月04日

カナダ連邦政府のメラニー・ジョリー外相は82日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、カナダが追加制裁措置を講じることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

新たな制裁措置の対象は軍関係者43人と17団体。当地報道によると、リストに追加された人物のほとんどは、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャでのロシア軍の行動を理由に6月にEUから制裁を受けたロシア軍将校だという。ロシア軍は侵攻後数カ月の間にブチャで数百人のウクライナ市民を性的暴行、拷問、殺害した罪に問われており、国際刑事裁判所は3月にこの地域から撤退した同軍による戦争犯罪および人道に対する罪の疑いを調査している(カナディアンプレス82日)。

ジョリー外相は「われわれは(ロシアの)ウラジーミル・プーチン大統領とその支援者たちが無差別に行動することを許さない。ロシアの戦争マシンの残虐な行為は忘れ去られることはなく、カナダは国際社会のパートナーとともに責任を追及し続ける。カナダはウクライナとともに歩む」とコメントした。

また、カナダ国境サービス庁は同日、ウクライナ侵攻に伴う制裁措置に違反するロシア向けの貨物を押収したと発表した。同庁によると、先月発見した貨物は「ロシア企業との関連が疑われる」十数件のうちの1つで、適切な輸出許可がないとして押収したという(グローバル・ニュース82日)。

224日のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、カナダはロシアとウクライナ、ベラルーシの1,150以上の個人・団体に制裁を科しており(2022年5月12日記事2022年4月28日記事2022年4月20日記事参照)、6月には石油・ガス・化学産業の操業に不可欠な技術や管理、会計、広告サービスなど28業種のサービス輸出の禁止を発表した(2022年6月10日記事参照)。こうした中、カナダの連邦警察であるカナダ王立騎馬警察は同月、特別経済措置法ロシア規則に基づいて、224日~67日にカナダ国内の12,400万カナダ・ドル(129億円、Cドル、1Cドル=約104)相当のロシア資産を凍結し、28,900Cドル相当のロシア資産取引を阻止したことを公表しており、今後も定期的に情報を開示予定としている。

(飯田洋子)

(カナダ、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)

ビジネス短信 b49f4e13cd142416