カナダ政府、ロシアへの経済・金融制裁の対象者リストにプーチン大統領の娘ら14人を追加

(カナダ、ロシア、ウクライナ)

米州課

2022年04月20日

カナダ政府は4月19日、ウクライナへの軍事攻撃を続けるロシアに対する経済制裁の追加措置として、ウラジーミル・プーチン大統領の娘2人を含む14人を新たに資産凍結の対象者とすることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

連邦政府は、プーチン大統領の娘2人と他の12人がプーチンの側近で、ロシアの不当なウクライナ侵攻に加担しているため、制裁対象とするとしており、ジャスティン・トルドー首相は自身のツイッター上で、「ロシアのウクライナ攻撃に加担した人々への責任を追及することに容赦しない」と述べている。

今回の追加措置は、4月7日の軍事分野に直接または間接的に関わりがあるとみられる企業やロシア国内の大学や研究機関など33組織を対象とした資産凍結の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに続く、ロシアへのさらなる制裁拡大の動きとなる。

カナダ政府は、2月22日にロシアに対する金融・経済制裁措置を発動し(2022年2月24日記事参照)、2月24日には追加措置として、金融界のエリートらとその家族を含む個人・団体やロシア安全保障理事会のメンバーとなっている政府幹部らへの制裁を追加したほか、重要な医療サプライチェーンを除いた新規の輸出許可申請の停止、ならびにロシアへの有効な輸出許可を取り消すことによる、ロシアへの輸出制限を発動した(2022年2月25日記事参照)。さらに2月25日、第3弾の制裁措置として、ロシアのプーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外相らに直接制裁を科すとともに、国際決済システムである国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシアの除外に賛同した。また2月28日には、ロシアからの原油輸入を禁止することを発表した(2022年3月1日記事参照)。

輸送分野においては、2月27日にロシア系航空会社に対しカナダ領空の航行を禁止したほか、3月1日にはロシア系船舶のカナダ港への入港および内水領域での航行を禁止している。

個人制裁については、米国や欧州の対象追加の動きに合わせ、政府幹部やプーチン大統領との結びつきが強いとみられる新興財閥(オリガルヒ)らを追加するなど、数次にわたり対象拡大を発表している。

(高山さわ)

(カナダ、ロシア、ウクライナ)

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