米当局、バークシャー・ハサウェイによる最大50%のオクシデンタル株取得を承認
(米国)
ヒューストン発
2022年08月23日
投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米国の持ち株会社バークシャー・ハサウェイ(本社:ネブラスカ州オマハ)が米国石油準メジャーのオクシデンタル(本社:テキサス州ヒューストン)の普通株式の最大50%を取得することについて、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)が承認したことが8月19日に明らかになった。複数のメディアが報じた。バークシャーは7月11日にFERCに承認を申請し、FERCは承認が「公共の利益と一致する」という認識を示した。
バークシャーは3年前に初めてオクシデンタルに投資し、2022年に入って同社への投資を増やしている。8月初めの時点でバークシャーはオクシデンタルの普通株式1億8,800万株を保有しており、これは発行済み株式9億3,100万株の20%強に当たるとしている(ロイター8月20日)。また、CNBC(8月19日)によると、バークシャーはオクシデンタルの優先株100億ドル相当も保有しているほか、普通株8,390万株を50億ドルで購入する新株引受権も保有している。スミード・キャピタル・マネジメントのビル・スミード氏は「バフェット氏がここから50%(の普通株式取得)に行くのは間違いない」と指摘している(ブルームバーグ8月20日)。
米国では8月16日にインフレ削減法が成立(2022年8月17日記事参照)。オクシデンタルが得意とする二酸化炭素(CO2)の直接大気分離回収(DAC)の税額控除が拡大したことは、同社の今後の事業の追い風となった。同社はDACについて、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロを達成するための重要な要素として位置付けており、その計画は米国の大手石油会社の中では最も積極的なものの1つとされている(リグゾーン8月22日)。
オクシデンタルのネットゼロに向けた最近の取り組みの1つに、同社の子会社オキシ・ローカーボン・ベンチャー(OLCV)と、米国のエンタープライズ・プロダクツ・オペレーティングによるメキシコ湾岸でのCO2の輸送・貯留事業の協業がある。4月25日に発表されたこの協業にはDAC施設の建設も含まれている(2022年4月27日記事参照)。また、OLCVは5月3日、米国のエンリンク・ミッドストリーム・オペレーティングと、ミシシッピ川流域のCO2輸送事業の協業にも合意している(2022年5月9日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
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